年金保険料の額は2004年以降、毎年上昇している。少子高齢化の中で年金制度を安定させるためだ。年金保険料本体の上昇は2017年で一区切りつくが、幼児教育無償化財源で話題の「こども保険」は年金保険料上乗せという形で構想が練られている。

これまで毎年上昇してきた年金保険料

保険料,将来不安
(写真=PIXTA)

少子高齢化に伴い、年金受給者の人口は増加し年金保険料負担者が減少している。年金システム維持していくために、短期間で急激に保険料を上げるのではなく、2004年以降2017年まで毎年保険料を値上げしていくことになった。

国民年金保険料は年度(4月分~翌年3月分)ごとに定額である。厚生年金保険料は会社員の給与額に応じて変わる。

参照:平成28年10月分(11月納付分)からの 厚生年金保険料額表 (日本年金機構)

厚生年金保険料は、厳密には上記参照先の保険料額表に基づいて決まる。例えば2016年9月分~2017年8月分の保険料は、2016年4~6月分給与の平均(報酬月額と呼ばれる)が60万円であれば、報酬月額57万5000円以上60万5000円未満の標準報酬月額は中央値の59万円となるため、10万7273.8円となる。

これは企業負担と労働者本人負担をあわせたものであり、標準報酬月額59万円に18.182%をかけたものである。実際にはほぼ折半して負担し、労働者本人の給与から5万3637円天引きされる。

なお保険料額表を参照すれば分かるが、報酬月額60万5000円以上はいくらであっても保険料額は11万2728.4円(企業・労働者負担あわせて)となり、高所得者の保険料額には上限があることになる。

18.182%は2016年9月分~2017年8月分の負担率であり、2004年9月分~2005年8月分の13.58%から毎年0.354%上昇しており、2017年9月分からは18.3%で固定される。

一方で国民年金保険料は、2004年度まで1万3300円だったものが毎年280円値上げして2017年度は1万6900円で固定される。ただし年度ごとに物価・賃金状況に応じて微修正されるため、実際は若干の差異が出る。実際の2017年度月額保険料は、微修正の結果1万6490円となっている。

こども保険で現役世代に求められるさらなる負担