2ブランドの経営戦略のちがい
両方とも世界中に展開しているブランドですが、マイケルコースは、主な売上げ層の80%が北米であり、アメリカ経済の状況に影響される傾向が大きい、日本よりも米国、欧州での顧客が中心で認知度が高い会社です。ライセンス商標等の事業で安定的な収益を確保しつつ、卸売事業で、海外のコンセッション店とアウトレットなどに商品を卸していくという事業を展開しており、収益の重点は、米国・欧州に偏っている様子があります。
一方のケイトスペードは、小売りブランドの設計・販売を主に行っており、宝飾品などは、排他的サプライヤー契約で事業を展開していますが、マイケルコースよりも認知度についてはまだ低くこれから認知度を高めていく必要があると考えているようです。
日本での認知度からみる今後の海外展開での収益拡大をするのはどちらか
マイケルコースは、すでに本国では、北米の80%が売上層と認知度が高く、売上げもライセンス事業などを行っており、アメリカでのブランドとしては成功していますが、今後のアメリカ経済によっては、収益に影響してくる懸念もあります。ケイトスペードは、今年5月、日本の銀座にアジア発凱旋店等を出しました。このことからアジアをマーケット戦略の重要な位置づけとして考えているのではないかと思います。日本に限るとマイケルコースは海外では、ほとんど路面店を持たず、ケイトスペードは路面店を日本で次々とだしているため、日本での収益も今後左右してくるのではないかという事も懸念されます。
2ブランドが生き残る為の課題や今後の経営戦略について
両社とも、今後人口が増えるとされる新興国やアジア、中国などにも今まで以上に力をいれてくる事が予想されます。ケイトスペードは来期減益となる見通しですが、アジアへの戦略、中国経済がこのまま好調に続き、新興国の経済が上昇すれば風向きが変わってくるかもしれません。