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時代に合わせた効率的方法とは

「掛け捨て型保険は損」は本当?貯蓄型と比較してみた

「掛け捨ての保険は損だ」
「どうせ保険に入るのだったら、お金が戻ってくるほうがトクなはず!」
「貯蓄代わりに保険に入ろうかな」

といった話はよく聞きます。果たして本当なのでしょうか?

結論から言ってしまうと、それはバブルのときの話。今は「貯蓄型の保険」が損になりやすい時代です。なぜ損になってしまうのか、それをこれから説明していきましょう。

生命保険、掛け捨て型定期vs一生涯終身

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(写真=A and N photography/Shutterstock.com)

「掛け捨て型」の生命保険とは、一定期間の保障があり、保障期間中に解約してもそれまで積み立てた保険料は戻ってこないタイプの保険です。その代わり保険料は安くなっていますが、一定期間の保障なので、更新時には保険料が上がっていきます。

では、どのくらい保険料が違ってくるのかを下の例を参考に比べてみましょう。同じ会社が扱う死亡保障500万円の定期保険と終身保険で、それぞれの保険料を試算してみました。

【定期保険の場合—死亡保障500万円】

30歳女性
・保障期間10年
・月額保険料=600円
・10年間の支払総額=7万2000円

40歳女性
・保障期間10年
・月額保険料=950円
・10年間の支払総額=11万4000円

50歳女性
・保障期間10年
・月額保険料=2770円
・10年間の支払総額=19万2000円

30年間(30歳~60歳)の支払総額=37万8000円

【終身保険の場合—死亡保障500万円】

30歳女性
・保障期間/払込期間=終身
・月額保険料=6400円

30年間(30歳~60歳)の支払総額=230万4000円

掛け捨て型での総支払額は37万8000円、終身型は230万4000円。終身保険のほうが圧倒的に高額ですね。

それでは、60歳時点での解約返戻金を見てみましょう。解約返戻金は保険会社によって変わってきますが、水準は払込保険料総額の約70%とされています。それに基づき計算すると、払戻金は161万2800円。つまり、その差額69万1200円が実際に払い込んだ金額です。

定期保険と比べてみたとき、終身保険のほうが倍近くも保険料が高くなることがお分かりになるでしょう。

貯蓄型の保険とは

貯蓄型保険とは、保険料を積み立てていき、保障を受けながらも満期を迎えたり途中解約した場合には、積み立てたお金が戻ってくるという保険です。代表的なものが終身保険で、その他に学資保険、個人年金保険、養老保険などさまざまな種類があります。

保険の営業で、「保険に入っておくと貯蓄代わりにもなりますよ」と勧められたことはありませんか? しかし、今はマイナス金利の時代です。定期預金に預けても利子はほとんど付かず、国債の利率も0.05%から動いていません。保険商品にだけ、おいしい利子が付くということもないのです。

実は、保険会社もマイナス金利の影響を受け、商品戦略は貯蓄から保障へと大きく変わってきています。従来の貯蓄型保険商品を売り止めにしたり、保険料を値上げしています。このようなことから、貯蓄型保険は魅力の薄い商品になってきているのです。

では、大手保険会社の終身保険の例を出してみましょう。

【終身保険の場合—65歳満期】

40歳男性
・死亡保障=300万円
・月額保険料=約1万3620円
・60歳時点の払込保険料総額=約327万円
・60歳での解約返戻金=約288万円

終身保険は、長く加入し続ければ解約返戻金は増えますが、100歳の時点でも解約返戻金は300万円以下で、死亡保険金は300万円です。死亡保険金も解約返戻金も、払い込んだ総保険料より多くなることはありません。これでは貯蓄と同じとは言えませんね。

この例では保険料を高めに設定しましたが、他の割安な通販型の終身保険では、払い込んだ保険料より受取金額が少なくなることはありません。しかし、大きく増えるとも言えません。低金利時代と言われる今、貯蓄型保険商品の魅力は著しく減ったと言っても過言ではないでしょう。

ただし、相続税対策で終身保険を使うのは非常に有効です。また、最近は円建ての終身保険ではなく、外貨建ての終身保険も多く登場しています。とはいえ、外貨だけに利率はいいものの、為替変動のリスクは大いにあり、誰にでもお勧めしやすい商品とは言えないのも事実です。

掛け捨て型の保険での注意点

保険料が安く、大きな保障を得られるのが掛け捨て型のメリットですが、年齢とともに保険料が上がるので、更新時には注意が必要です。その反面、更新することで、保障の必要額や保障期間を見直すきっかけにもなります。

必要保障額というものは、ライフスタイルによって変わってきます。子どもが小さなときには、大きな保障が必要になりますが、子どもが成長するにつれて必要保障額は減っていくでしょう。また、子どもが独立をすれば、今度は老後の生活費が大事になるので、保障内容も変わってきます。このように、ライフステージごとに見直していくのが、合理的な保険の入り方でもあります。

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(写真=baranq/Shutterstock.com)

定期保険の加入時に注意したいこと

「定期保険」は掛け捨て型保険の代表ですが、この定期保険に加入する際に注意していただきたいのが、「歳満了」と「年満了」の契約タイプです。

「歳満了」は、例えば30歳~60歳などの「年齢」で契約をします。一方、「年満了」は2017年~2047年の30年間といった「年」での契約です。これは、保障期間を年齢で見るか何年間かで見るかという違いで、保障内容・保険料などはまったく変わりませんが、更新時にどちらのタイプかで影響が出る場合があります。

「年満了」は、自動更新で医者の告知は必要ありません。「歳満了」は、契約が一度終わってしまうので更新時に医師の診断が必要になる場合があり、この診断の有無に関する要件は保険会社によっても変わります。

仮に、「歳満了」で定期保険契約をしていた人が59歳でがんの告知をされた場合、60歳になって契約が切れた際には更新ができない可能性もあるのです。

保険の本来の意味は、もしもの場合に発生し得る経済的損失への備えです。この意味からも、保険と貯蓄は分けて考えたほうが合理的といえるでしょう。筆者がお勧めする保険と貯蓄の方法は、保険料を安く抑え、余裕ができた分で貯蓄や投資をしていくことです。

  • 保険料が安く抑えられる掛け捨て型保険を選ぶこと
  • 保険料の節約で生まれた余裕資金を貯蓄や投資に振り分ける

貯蓄を兼ねた保険に入るより、このように2段階で進めるほうが、実際には効率のいい保障と貯蓄ができますよ。

長尾 義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表、ファイナンシャル・プランナー。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。

(提供:DAILY ANDS

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