Pay Palがインド南部のチェンナイとバンガロールに、イノベーションラボを開設する 。

AI(人工知能)、機械学習、データサイエンス、バーチャルリアリティー、IoT(モノのインターネット)など最新のテクノロジーに精通した地元の専門家を集結させ、革命的な商品・サービスの開発と人材育成に役立てる意図だ。

イノベーション部門ディレクター「インドは革命の温床」

今回の動きは、Pay Palにとって米国とシンガポールの続く、ラボ開設第三弾となる。

イノベーション部門のディレクター、マイク・トダスコ氏は、インドがスタートアップ・エコシステムの発展、業者のプロファイル、巨大な人材の宝庫という点で、「革命の温床」であるとコメント。

新たなラボが、「自社のエコシステムを変革する潜在性と共に、次世代テクノロジーを活性化させ、斬新なアイデアを生みだす」拠点となることを目標にしている(Finextraより)。

ラボにはRaspberry Pi(ARMプロセッサ搭載のシングルボード・コンピューター)と共にセンサーキットやIoTキット、Amazon Echo、3Dプリンターのほか、オープンソースのソフト無線プラットフォームHackRF Oneなど、最新のテクノロジーデバイスが装備される。
研究員は創造性を刺激される設備の中で、存分に研究・開発に打ちこむことができる。

スタートアップやライバル大手の追い上げに対抗

長年にわたり欧米を中心に、ネット決済分野で不動の地位を維持してきたPay Payだが、FinTechの跳躍により、決済スタートアップの追い上げが目立つ。

特にインドではソフトバンクも出資するデジタルウォレット「Paytm」の勢いが凄まじく、ネット決済の巨匠にも改革の時期が訪れている事実を、Pay Palも認識している。インド国内に2つのラボを同時開設する決断に、その意気込みが感じられる。

近年、大手国際企業によるインド決済市場への進出・発展が活発化している。2017年に進出を果たしたSamsung Payに続き、Apple Payの 進出も秒読みに入ったとの報道も見かける(Free Press Journalより)。

インドも含め世界200カ国以上で利用されているPay Palがラボ開設を通し、どのように革命的な商品を生みだすのか楽しみだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

( FinTech online編集部

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