住宅メーカーの積水ハウス <1928> が土地取引において詐欺にあっていたことがわかった。損失は63億円にものぼり刑事告訴をすると発表している。今回の手口は昔からある「地面師詐欺」による被害だということだ。

戦後からバブル期までの地面師

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(写真=PIXTA)

地面師はもともと戦後の混乱時に一気に増加した。弁護士を利用し、権利証や本人確認に必要な書類等を偽造し、本人になりますまして巧みな方法で不動産の所有権登記を移転させていた。当時の偽造書類なら偽物だと判断がつきそうなものだが、戦後の混乱で登記所を含む役所がまだきっちりと機能していない状態が多く被害が多発していた。単独で行う詐欺ではなく、チームで行うことが特徴で発覚した時点では多くの関係者が「自分も騙された立場だ」と主張できることが可能になる。

登記権利証制度廃止で減少