仕事で手帳を使う目的は、一度にいろいろな種類の仕事を効率よくこなすということです。目標に応じて細かく作業内容を設定し、それに応じた時間の単位で逆算していくことが重要になってきます。多くの場合、「足し算」になりがちなスケジューリングを見直し、「逆算」ができるようになっていきましょう。

(本記事は、伊庭 正康氏の著書『 会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン 』すばる舎(2016年11月22日)の中から一部を抜粋・編集しています)

スケジュールのキホン「逆算」を意識する

手帳,ビジネス
(画像=Webサイトより)

スケジューリングの基本は逆算だ、とよく言われますが、話を聞くとほとんどの人が、それとは完全に逆。足し算型です。今日1日をできる限り頑張り、次の日もまた一生懸命に頑張る。そうすれば、きっと成績は急上昇すると信じているところがあります。

まず、「足し算型」と「逆算型」の違いを把握しておきましょう。営業や販売で考えるとわかりやすいと思います。先にも述べたように足し算型とは今日を一生懸命に頑張れば、目標に達成するという考え方。この考え方の問題点は、一生懸命やったとしても最初から達成が難しい道のり、たとえるなら東京から大阪に行きたいのに、名古屋までしか行けないというもともとゴールに達しない設計になっていたとしたら、目も当てられないことになるという点です。

営業でとりあえず1日20件訪問すればOK!というのは足し算型の発想になります。もはや精神論に過ぎず、必死で努力すれども、未達成への道を歩むことになります。

一方で逆算型とは、確実に達成するためには「いつまでに」「どこまで」到達しておかねばならないかを決める方法です。たとえば月間の売上目標が1000万円だったとしましょう。営業日が20日とします。1日当たり50万円の売上を作る予定を立てることになります。しかし、今の実力値が40万円とするなら、1日当たり10万円を作ることが目下のテーマとなるわけです。

これをどうやって作るのかを決めてから、行動しなければ達成できません。営業や販売だけではなく、どんな仕事についても同様です。達成までの道のりを明確にしておくことで、ムダな努力はなくなります。

過去の検証をすることで、スケジューリングの精度は高まっていく

スケジュールと登山は似ています。締切前にバタバタしてしまうのは、いつまでに、どこまで登るか、登り方を決めていないことも大きな要因です。まず、1週間が始まる前、具体的には前週の金曜日、もしくは月曜日の朝までに、いつまでに、どこまでを片づけておくのかを決めねばなりません。

火曜には50%(下書きまで)、木曜には90%(ほぼ完成)、金曜に100%(微修正をして完成)、といったように書いておくことで、無理のない計画を組むことができます。進捗を書くことで、遅れを予防し、締切前のバタつきをなくします。

なかには、締切間際のほうが集中力が高まるので、ギリギリになってから一気に仕上げるという人もいます。ですが、そういう方を見ると危険だな、と思ってしまいます。もし、最後の最後でインフルエンザにかかってしまったら? もしも、緊急事態が発生したら?あらゆるリスクを想定した上で、万一のときのダメージを最小限にする。そんなことを考えながら、計画を組むのも必要な発想です。

そして大事なことは振り返り、つまり反省の時間を持つことです。
バタバタしてしまったらなおさらです。なぜ、そうなったのかを翌週が始まるまでに振り返ってみてください。

一つひとつのタスクに時間がかかりすぎたのか、それとも所要時間の見立てが甘かったのか、想定外のタスクが入ったのかなど。検証をすることで、あなたの時間管理の精度が高まります。忙しい日常ではついおろそかにしてしまいがちですが、検証なくして改善はなし。ぜひ、1週間に3分でもいいので、検証の時間を持ってみてください。

時間単位は、1時間よりも細かく刻もう

仕事はバスケのパス回しのようなもので、全員のタイミングがあってこそ、ストレスなく仕事が回ります。しかし、たまにボールを持ったまま手放さない人や、投げたボールが遅い人がいます。そうなると、周囲はその人にストレスを感じてしまいます。

実は、スピードに体感速度があるように、時間にも体感速度があります。高速道路でノロノロと走る車の運転手も、遅く走ろうとしているわけではありません。感覚が自分とズレてるのです。

仕事もそれと一緒。体感速度がズレていては、周囲に迷惑をかけてしまいます。今は、残業せずに成果を出すことを会社が要望する時代です。パス回しをより速くする人が重宝されます。つまり、今まで以上に仕事における体感速度を高めておく必要があるのです。
体感速度を速くするいい方法があります。

スケジュールの所要時間の単位を30分で考えるようにしてみてください。たとえば、いつも1時間かかっているミーティングを30分で終わらせる、2時間かかる企画書作成は30分で終わらせる、レポートも30分で終わらせる等、30分刻みで考えてみることです。

もちろん、30分で終わらないタスクもあるでしょう。その場合は、「×2」「×3」のように、30分を掛けていきます。私の例ですが、2300文字の連載のコラムを執筆しています。この時間を90分で設定しています。この場合は30分×3です。大事なのは、1時間ではなく30分単位であること。この単位が、時間の体感速度を作る「習慣」となります。

実は、多くの人は無意識に1時間を単位に予定を決めています。実際、会議の多くは1時間です。

伊庭 正康
1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40回以上。その後、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。2011年、(株)らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)がリーディングカンパニーの目に留まり、年間260回の営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『苦手な人がいなくなる(中経出版)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。

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