国家公務員共済組合連合会(国共済年金、KKR)の動き

では、関連する公的年金基金である国家公務員共済組合連合会(国共済年金、KKR)ではどのような動きが起きているのでしょうか?国共済基金の資産規模は約727億円(2014年3月末現在)。基本ポートフォリオは国内債券74%(±16%)。国内株式8%(±5%)と、GPIF以上に国内債券偏重のポートフォリオとなっています。国共済基金では2013年12月に運用ポートフォリオの見直しを行い、従来の基本ポートフォリオと比較して国内債券を-6%。国内株式を+3%とする見直しを行っています。

しかし、2014年3月末に行われた政府検討会では、「GPIFの運用利回り目標である『賃金上昇率を1.7%上回ること。』」という目標を国共済基金や後述する私学共済も担うことで合意しており。国内債券運用だけでは達成できないこの目標を満たすために、国共済基金も国内株式の運用比率を高めることが予想されます。


日本私立学校振興・共済事業団の資産運用見直しの動き

また、日本私立学校振興・共済事業団(私学共済)の資産規模は約3兆5,463億円。(2014年3月末現在)基本ポートフォリオは国内債券65%(±9%)。国内株式10%(±3%)と、こちらもGPIFと比較して国内債券の割合が高いポートフォリオとなっています。私学共済でも5年に1回行われる運用比率の再計算をこの8月に行っていますが、大きな財源不足となる計算結果は出ていないことから、株式比率を急速に高めることはないと考えられます。


ターニングポイントは2015年10月

現在、GPIFと比較し国内株式の運用比率が低い国共済年金・私学共済ですが、先述したように2015年10月にGPIFと運用を一元化し、利回り目標やリスク許容度をGPIFと同じにすることが決定済です。そうなると、資産規模が一番大きいGPIFに追従することが予想され、この時期に統合する地方公務員共済組合連合会と合わせると、GPIFの資産規模は150兆円を越えます。

今回と今秋のGPIF運用見直し、2015年10月の統合と、GPIFによる国内株式購入が予想されるイベントが控えています。今後のGPIFの運用委員会の動きに目が離せないといえるでしょう。

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