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日本国内で強い存在感を示す日用品メーカーの一つ、ユニリーバ。2013年の総売上高は約498億ユーロと前年を3%ほど下回りましたが、純利益は約48億ユーロと、前年より約5億ユーロほど上回る結果となっています。7月24日に発表した第2四半期売上高は前年比3.8%増となっております、そんなユニリーバの経営戦略の特徴として、新興国に力を入れていることが挙げられます。中国およびベトナム市場が鈍化しているとの発言をCFOのジャン・マルク・ユエ最高財務責任者は残しておりますが、中国やインドなどの各新興国の売上は全体の約60%を占めると言われており、競合と比べても高い数値を誇っています。今回は、新興国への経営戦略に力を入れつつ、先進国にもブランド力でアピールする、ユニリーバの世界戦略に迫ります。


東南アジアを中心にBOPビジネスを進めるユニリーバ

少子高齢化や既存市場の飽和や縮小などに伴い、日本企業内でも注目されているBOPビジネス。BOPとはBase of the Economic Pyramidの略称で、世界の70%以上を占める低所得者層に対するビジネス戦略を指しています。その市場規模は5兆ドル以上とも言われており、世界的に注目されているビジネスの一つです。他方、市場がほぼ未知の状態から始まること、場合によってはインフラ整備など基本的な部分から介入する必要があることなど不確実な要素が多いことや、日本と新興国をつなぐ団体が少ないことなどから、日本ではあまり積極的でない企業が多い傾向にあります。

このBOPビジネスにおいて、世界的に見ても大きな成功例を持つと言われているのがユニリーバです。ユニリーバではインドやフィリピンの農村部や都市部の周辺地域に対して、農村部の女性を販売代理人として育成するという戦略を取っています。彼女たちのほとんどが、自らもユニリーバ製品を利用する顧客。販売員として育成することによって、女性の自立を促し、結果としてユニリーバ独自の流通網を獲得していったというわけです。

さらに販売商品にも工夫が。彼女たちが販売しているのは、通常商品よりも容量の少ないタイプのもの。通常品を小分けし、安価で販売することにより、低所得者の購入に対するハードルを大きく下げたことも大きな成功要因だと言われています。また政府と協力し、手洗いなどの衛生教育を啓蒙する社会的活動を実施。石鹸を使って手を洗うことを当たり前にする社会を形成することが、同時に自社製品の販売網を広げることへとつながっているというわけです。