個人向けの新しい資産運用サービスとして注目を集めている「ロボアドバイザーサービス」は、もともとは2009年前後に米国で誕生したものだ。欧州などに広がっていく過程で、2014年後半から日本でも同様のサービスが開発・提供されるようになった。

誕生からまだ3年ほどしかたっていないにも関わらず、投資信託の選定ツールといった簡易なものも含めると「ロボアド」と呼ばれるものは何十も存在するまでになった。冗談だが、ロボアドのロボアドが必要なのではないかとまで思ってしまう。

背景にあるシーズ(Seeds)とニーズ(Needs)

このようなロボアドサービスが普及するようになった背景には、投資運用技術の高度化やETF(上場投資信託)等の新しい金融商品の開発という金融面での技術革新、それに情報技術(IT)の発展などがある。

新しい資産運用サービスの開発・提供を可能とするシーズ(Seeds)である。これまで年金基金等の機関投資家向けに提供されてきたカスタマイズされたサービスを、個人の利用者にも低コストで提供するためには、そうした技術革新を待たなければならなかった。

もっとも新しいサービスの開発が可能になったからといって、必ずしもそれが普及するわけではない。サービスや商品の成長にはシーズのみならず、何らかのニーズ(Needs)がならなければならない。

日本版ロボアドが増加傾向 「天・地・人」のニーズ