国と企業が一丸となって進める働き方改革であるが、調査企業の73%が改革を実施している等、広く浸透している事が明らかとなった。一方で、従業員の満足度を得られていない企業も多い等、課題も浮かび上がっている。この結果は、デロイト トーマツ コンサルティングが9月5日に「働き方改革の実態調査2017」と題した調査結果より公表したもの。

働き方改革の実施企業は73%に 従業員の不満は45%に上る

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(写真=PIXTA)

調査は6月から7月にかけて行われ、上場企業144社を含む238社から回答を得た。2013年、2015年に続き、3度目の調査となる。

働き方改革の実施状況については、「既に実施済み」と「現在推進中」の合計が全体の73%に上った。2015年調査の34%から倍増しており、多くの企業で働き方改革が実施されている事が分かるポジティブな結果となった。

働き方改革の目的については、「生産性の向上」を挙げる企業が最も多く、その割合は87%に上った。効率を重要視する昨今の経営において、働き方の見直しによる生産性の向上は重要な目的であり、大きな課題となっている。「従業員の心身の健康の向上」が76%、「従業員満足度の向上」が74%でそれに続いた。従業員目線の働きやすさを重視する企業も多くあるようだ。

一方、働き方改革の効果について聞いたところ、「効果を感じている」と答えた企業は全体の49%と約半数に留まった。「従業員の満足度も得られた」と答えた企業は更に少なく、全体の28%となっており、満足度を得られなかった企業は45%に上った。また、「KPIがなく、きちんとモニタリングできなかった」と回答した企業も28%あった。働き方改革を進めていく中で、予め立てたプロセス毎に効果の検証を行うと共に、経営層と従業員の対話により、修正しながら改革を進めていく事が重要であろう。

「長時間労働=美徳」という意識との決別が重要に