キャッシュレス化が進む近年、子どもへのお金の大切さの教え方も徐々に変化しつつあるようだ。米国では親が管理できる子ども用デビットカードも発行されている。

「記録に残るデジタルの方がお金の管理をしやすい」との意見も一理あるが、「子どもは実際にお金を手に取り、目で見ながら学んだ方がより深い理解を示す」という専門家も多い。

未来のクリスマス・プレゼントやお年玉はビットコイン?

ピュー研究所が米国の成人4787人を対象に実施した調査 では、2015年12月の時点ですでに24%が「平日は現金で買い物をしない」、39%が「財布に現金が入っていなくても(カードがあれば)いい」と答えていた。

キャッシュレス化はさらに加速し、2017年4月にING銀行が行った調査 では、米国を含む15カ国の成人1000人のうち20%が「出来るだけ現金の利用を避けている」と回答。米国人の38%がキャッシュレス社会への移行を望んでいる ことなどが分かった。

こうした需要の変化を受け、「現金の大切さ」を教える従来の金融リテラシーにも、デジタルバンキングや決済の知識を追加することが必須となりそうだ。

実際、遠方に住んでいる祖父母や親戚などから、お小遣いやお年玉を銀行間送金やPayPalに代表されるデジタル送金で受け取る子どもも増えている。「クリスマス・プレゼントはビットコイン」という未来もそう遠くはないかも知れない。

金融リテラシーサービスを提供する「子どもの金融ネットワーク」 を設立したニール・ゴッドフレイ氏は、「未来の子どもは現金を遺跡と見なすだろう」と予言している(USA TODAY より)。

デジタルなやり取りでは達成感やありがたみが半減?