ノルウェー映画『ヒトラーに屈しなかった国王』が12月より全国公開される。1940年、ヒトラー率いるドイツの急襲を受けるが、国王ホーコン7世は降伏を拒否し、ドイツ軍に対し徹底抗戦することを決意する。アカデミー賞外国語賞受賞、本国ノルウェーでは7人に1人が鑑賞したという国民的話題作だ。

ノルウェーは日本人にとって比較的存在感が薄い国しれないが、注目すべき国の一つである。

EU非加盟を貫くノルウェー

映画で描かれるように、ノルウェーは独立にかける思いが非常に強い。長くスウェーデンやデンマークの一部に過ぎず、1905年に初めて独立を果たしたという歴史ゆえともいえるだろう。独立精神はEUに対する姿勢にも表れている。ノルウェーは北欧諸国の中で唯一EUに加盟していない。国民の過半数は加盟に反対しており、加盟の是非を問う国民投票の動きすらない。

加盟こそしていないものの、ノルウェーはEU領域内の移動の自由を認めるシェンゲン協定や欧州刑事警察機構ユーロポールなどには加わっている。イギリスのEU離脱をめぐっては、EU非加盟国のあり方として、この「ノルウェーモデル」を採用するか否かが論点となっている。

最貧国から富裕国へ

(C)2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Vast/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures(画像をクリックすると映画サイトに飛びます)
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