「URであーる」というCMでよく耳にするようになったUR賃貸。いったいどんな物件でなぜ注目されているのか。条件や特徴などを調べてみよう。

UR賃貸住宅とは?

UR賃貸住宅,都市機構
(写真=PIXTA)

UR賃貸住宅は「都市再生機構」という独立行政法人が運営をする賃貸住宅のことである。元々は公団住宅と呼ばれていた。昭和の高度経済成長期の過程で住宅確保が困難な世帯向けに建築をされた物件である。当時は入居希望者が殺到し抽選にもなかなか当たらない賃貸住宅だった。都営住宅よりも設備や立地などの条件がよく、団地というよりもマンション感覚で住めると大変人気があった。時代の流れとともに、持ち家の割合が増えまた築年数を重ねるごとに老朽化していく物件もあり一時期は空室が目立つこともあった。それがまたUR賃貸住宅として注目を集めている。その理由はどこにあるのだろうか。

礼金、仲介手数料、更新料、保証人が不要? UR賃貸住宅の特徴とは

都営住宅よりも立地や設備がちょっといいUR賃貸住宅だがその特徴では都営住宅と似ている部分も多い。礼金、仲介手数料、更新料はもちろん保証人も不要である。入居の際に一般的な賃貸ほど費用がかからない。但し敷金は3か月分必要である。また退去時の原状回復費用の負担がきっちりと明確化されている。一般的に不動産会社に物件を紹介してもらう際の気苦労や手数料等から開放されるという安心感も人気となっている大きなポイントであろう。申込の窓口となる営業センターでは丁寧な対応も良く知られている。昔のように抽選ではなく申し込み順で入居者を募集するため、営業センターに問い合わせたり訪問したりして応募する場合が多い。その対応が親切で丁寧だと評判がいい。都営住宅以上、分譲賃貸マンション未満といった中間的な存在がUR賃貸住宅のようだ。

エリアによって様々な特典も利用できる

UR賃貸住宅では様々な特典が利用できる。エリアや期間によって特典の内容には違いがある。例えば2017年現在関西エリアではつぎのような特典キャンペーンがある。

1.子育て割……9年間最大家賃20%割引
2.そのママ割……3年間最大家賃20%割引
3.近居割……5年間最大家賃20%割引

子育てや新婚家庭、親世帯と協力し合っている世帯などが借りやすい割引制度である。また期間限定で3か月分の敷金が2か月分になっていることもある。これに加えて関東エリアではU35割という35歳以下を対象に定期借家契約限定にした割引もある。転勤で家をどうするかしばらく考えたい世帯には3年間取り敢えずURに住んでみるという選択肢として使えそうだ。また家賃の支払いがPONTAのポイントに加算されることも意外に好評のようだ。

団地リノベーションプロジェクト

UR賃貸が急に注目されるきっかけになったのはこの団地リノベーションプロジェクトの効果が大きい。URとあの「無印良品」がコラボしたプロジェクトだ。団地は古くておしゃれなイメージからはほど遠いし、室内の設備も企画が古くて現在の設備器材ではぴったりと合わない場合が多い。しかし便利な立地にゆったりと建築されている物件が多く、リノベーション次第でおしゃれな物件に生まれ変わることに注目した。古くて規格に合わない部分に無印良品との共同でUR物件に合わせた設備や家具、小物を開発した。柱や鴨居など使える部分は活用し、そこに無印のデザインでリノベーションができる。家具やキッチンは入居者によって配置やアレンジが可能になる点も評価が高い。1DK物件など家族世帯には小さくて入居の決まりにくい部屋を中心に、このプロジェクトを実施している。白と木目を基調とした無印良品の良さと明るく日差しが差し込む元公団住宅ならではの特徴がとても上手く溶け込んでいる。若い独身女性や新婚カップルなどからの申込が殺到しているようだ。

意外と厳しい?UR賃貸の住宅の申込条件

快適な住み心地が期待できそうなUR賃貸だが入居にはいくつかの条件もある。収入や貯金額にその下限が定められている。

・月収額が家賃の4倍であること
・貯金額が家賃額の100倍であること

6万円平均の家賃が多いURでは月収が25万円が必要となってくる。また貯金額も100倍ということは600万円以上というから決して容易くない条件だ。低所得者を対象とした都営住宅とはやはりその性質が異なる。これらの条件がクリアできない場合の特例もあり、条件の2分の1をクリアし、親族が残りの部分をクリアすることで認められたり、高齢者や身体障碍者のいる世帯でも特例が認められたりする。

かつて人口が急増していた時代に増設された公団住宅。幅広い世帯が住みやすい街づくりを想定して周辺には公園、学校、病院等も同設され都会のオアシス的な雰囲気が今でも残っている。関東、関西に限らず、各地の主要地方都市にも存在する。建物の老朽化が懸念される物件もリノベーションプロジェクトで見事に再生されている。ホームページ上で入居者の体験談からその満足度の高さがわかる。賃貸派、持ち家派、この先どっちを選ぶか迷っている世帯にはぴったりなのではないか。「賃貸以上持ち家未満」気分のライフスタイルが期待できそうなUR賃貸住宅だ。(片岡美穂、行政書士、元土地家屋調査士)

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