ローンを組むなどして金融機関からの借り入れを行った場合、今どれだけ返済が済んでいるのか、どの程度の借入残高があるのかを正確に把握しておくことが大切です。また、借入残高の金額は、新たにローンを申請する際に必ずチェックされるポイントであり、融資の審査基準の一つになっています。

新規ローンの申し込みにも関わりのある借入残高について学び、借入残高の確認方法やローン審査との関係性を見ていきましょう。

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(写真=PIXTA)

借入残高とは

借入残高とは、ローンなどで借り入れた金額からこれまでに返済し終わった金額を指し引いた残高のことです。つまり、現在残っている借入金の額をいいます。借り入れとは、お金の借り入れ全般で、ローンもこの借り入れのうちの一つです。例としては、銀行の住宅ローンや車のローン、カードローンなどが挙げられます。ローンの利息は借入残高には含まれません。

毎月きちんと決められた返済金額を支払っている場合は借入残高の確認が容易にできますが、複数の金融機関から借り入れをしていたり、一部滞納していたりするなどの場合は、本人自身がはっきり借入残高を把握していないケースもあります。

借入残高は、現在どの程度の借入金が残っているのかを把握するために大切な情報であり、新たなローンを組む際に重視されるポイントです。まずは自分の借入残高を確認することから始めましょう。

なお、カードローンは借入の一つですが、クレジットカードをショッピングに使った場合はお金を借りたとは判断されないため、借入残高には含まれません。

借入残高の確認方法

借入残高は、毎月返済する度に金融機関から発行される利用明細書や領収書に返済金額とともに記載されるため、簡単に確認することができます。また、ATMでの確認や金融機関のWEBサイトからの確認も可能です。ATMやWEBサイトからの確認が難しい場合は、電話で金融機関に問い合わせ、借入残高を教えてもらう方法もあります。

もし、複数の金融機関から融資を受けるなどして、自分がどこから借り入れているのか正確に把握できない場合は、信用情報機関を利用しましょう。信用情報機関には、ローンの契約内容や支払い状況などの信用情報が管理されているため、自分の借入残高も正確に把握することができます。万一、身に覚えのないお金のやり取りがあった場合は、調査を依頼することも可能です。なお、信用情報開示の手続きは窓口、郵送、パソコンやスマートフォンなどから行うことができます。

借入残高は審査にどれくらい影響するの?

借入残高がある状態で新規のローンの申し込みを行った場合、借入残高が審査に影響を及ぼすこともあります。しかし、どの程度影響するかは金融機関によって判断基準が異なるため、明確なことは言えません。借入残金が少なく、借入先が少ないほど審査に通りやすいことには違いはありませんが、実はローンの種類によっても審査に通りやすいかどうかが変わってきます。住宅ローンは不動産という融資価値の高い担保があるため、毎月きちんと返済していれば問題になることはほとんどありません。一方で、カードローンなど無担保での借入残高が複数ある場合などは、事業者にとって融資した金額を回収できないというリスクが高くなるため、融資額が低くなったり、そもそも審査に通らなかったりする傾向が強くなります。

なお、借入残高が多いからといってローン申請時に借入残高の虚偽申告をすることは、事業者側の心証を悪くするだけです。ローンの申し込みを受けた事業者は、必ず信用情報機関へ依頼者の信用情報の問い合わせを行いますので、借入残高や何社から借り入れているか等の情報は一目瞭然です。必ず正しい金額で申請しましょう。

新規のローンを組む際には借入残高の確認が必要

借入残高の金額を知ることは、自分の経済状況を正確に把握するうえで大切です。

借入残高を把握せずに新規ローンの申し込み時に適当な借入残高を記入してしまうと、虚偽の申告をしたことになり、審査はますます通りにくくなってしまいます。新規のローンを組むことを考えているならば、まずは自分の借入残高を調べることから始めてみましょう。(提供:ビジネスサポーターズオンライン)