不動産担保ローンは、無担保で借りるローンなどに比べて金利が低い上に高額融資が受けやすいため、人気のローンです。しかしそんな便利なローンでも、審査に通らなくては元も子もありません。今回は不動産担保ローンの審査基準に焦点を当てて、勤続年数や他社からの借入が審査へ及ぼす可能性や、古い物件を担保にできる可能性など、具体的なポイントを見ていくこととします。

不動産担保ローンの審査基準

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(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

不動産担保ローンとは、その名の通り自宅や土地など自分の所有する不動産を担保に、まとまったお金を借りることができるローンです。そしてどのローンにも共通して言えることですが、金融機関がローンの審査で確認したいのはただ1つ、「貸したまま返してもらえないリスクはどのくらいあるか」という点です。

そのリスクを計算するために、審査基準が設けられています。一般に、不動産担保ローンでチェックされるのは、以下のような項目です。

・ 担保価値
・ 他社の借入
・ 返済状況
・ 税金の納付状態
・ 収入と借入額の割合
・ 勤続年数・事業年数
・ 職種や雇用形態

項目としては一般のローン審査と変わりませんが、各項目において重視される割合が異なります。不動産担保ローンで何より重視されるのが、「不動産の担保価値」です。また、税金が未納の場合も、担保である不動産を売却しても税務署に税金滞納分を優先的に回収されてしまい、融資額を全額回収できないリスクがあることから重視されます。

勤続年数や給与所得は関係あるの?

勤続年数や給与所得も審査に影響します。勤続年数では職種や収入の安定性を図るための指標として考えられており、当然長ければ長いほど安定性が高いとして審査に通りやすくなります。

たとえ継続的に収入があったとしても、短期の雇用を繰り返すといった働き方をしていると「いつか資金繰りに行き詰まって貸し倒れになるかもしれない」と金融機関側は考えるのです。したがって勤続年数が短い傾向にあるアルバイト、日雇い、派遣社員などは正社員に比べて審査に通りにくい傾向があるといえるでしょう。

給与所得に関しては、単純に収入が多いか少ないかという基準ではなく、収入に対して借入額がどの程度あるのかが審査基準のポイントになります。これを返済負担率といいます。収入に対して借入額の割合が多いと、融資額を回収できないリスクがあるとして審査に通らない可能性があります。

他社からの借入は審査に影響するの?

他社からの借入状況は、融資額を回収できるかどうかの重要なファクターですから、一般的なローンのみならず不動産担保ローンでも重視される項目です。他社からの借入があるからといって必ずしも審査に通らないというわけではありません。しかし、他社からの借入の金額が大きすぎる場合や、返済遅延を繰り返している場合では審査に通らない可能性は高くなるでしょう。なぜなら自分が融資した場合でも、同じように返済を遅延されるリスクが高く、そのまま回収できない可能性も十分にあるからです。

古い物件でも担保にできるの?

古い物件でも担保にすることは可能です。物件の資産価値は、築年数だけで決まるわけではないからです。新しい物件の方が審査に通りやすいのは確かですが、たとえ古くても立地が良く人気の高い地域にある物件なら、担保にできる可能性は十分にあります。

地方の物件よりは都心の物件の方が資産価値としては高く、より高額の融資が受けやすくなります。地方でも、観光地であったり「住みたい街」として人気があったりするような地域なら、資産価値が上がる傾向にあります。また、古くとも建物の管理状態が良ければ、その分審査も通りやすくなるでしょう。

低金利で審査に通りやすい不動産担保ローン

不動産担保ローンの審査基準では、不動産の担保価値が大きなウェイトを占めます。そのため審査に通るかどうかは担保に入れる不動産によって左右されますが、他の無担保ローンに比べると不動産という資産価値の高い担保がある分、ローンに通りやすいというメリットがあります。また、同じ理由から金利も低く設定されているため、担保価値のある不動産を所有している人にはおすすめのローンといえるでしょう。(提供:ビジネスサポーターズオンライン)