フラット35を利用した場合は?
住宅金融支援機構の住宅ローンのフラット35を利用する場合を考えていこう。
昨今の低金利下では、返済負担比率から計算すると年収の約7倍が借入金額の上限といわれているようだ。
ただし、7倍はあくまでも「上限と言われている倍率」でしかない。一般的には年収の5倍から6倍が借入可能額の目安と言われている。つまり年収400万円であれば2,000万円から2,400万円ということになるだろう。
ただこの金額も、頭金の有無や住宅ローンの金利が計算されていないので、あくまで一つの目安に過ぎない。他の自動車ローンやキャッシングローンなどの借入金残高も考慮して考える必要がある。
子どもがいる場合はどう考えるべきか
また子どもがいる場合は、子どものいない世帯と比べてかかるお金の額が高くなりがちで、どのくらいの住宅ローンを組めばいいのか悩みどころだろう。今いる子どもの人数や、今後生まれるかもしれない人数も考え、部屋数を考えなければならない。それはすなわちエリアや物件選びにもつながり、購入予算額、ローン額にも影響する。
一般的に「年収の5倍以内」で住宅ローンを組むことができれば、返済もあまり無理がなく大丈夫だと言われているようだ。
たしかに幼い子どもが1人ならばそれでもいいかもしれない。しかし、たとえば子どもが2人以上いたり、既に学校に通っていたりするとかかる費用も高くなっているはずだ。そうした家族がファミリータイプの60平方メートル以上で、満足できるようなマンションを購入するためには、それなりの頭金が必要になると考えておいたほうがいい。
子どもが2人いる家庭ならエリア、場所にもよるが、賃貸でもそれなりの家賃になってしまうだろう。ワンルームや1Kではなく、もっと広い部屋に住む必要があるからだ。
仮に家賃8万円の賃貸マンションに住んでいるなら、2,650万円の住宅を購入すれば(頭金なし)、現在住んでいる家賃と同じぐらい返済額になるはずだ。もし頭金を350万円ほど準備できれば、3,000万円位までのマンションを購入できるということになりそうだ。
無理のない返済金額とは
ここまで見てきたように、年収400万円の人が無理のない返済年数と返済金額は、返済負担率30%で計算した「400万円×30%=120万円」が年間返済額の上限だろう。年間返済額が120万円ですから、毎月返済額の上限は10万円ということになる。
しかし、この計算はあくまで金融機関が設定した返済負担率をもとにしたものだ。冷静に考えて、年収400万円で毎月10万円の返済はなかなか厳しいのではないだろうか。
いま住んでいる家賃と同じぐらいの毎月の返済額か、できれば家賃支払いよりも低いローン返済金額に抑えたいところだ。
もちろんそれぞれの、家族構成や勤め先、金利、支払い期間などの状態で、購入できるマンションの金額は変わってくる。さらには将来子どもが生まれたり、病気になったりするかもしれない。生命保険などに入っているか、親の介護がどうなるか、など不慮の事態も起こることが想定される。
住宅ローンには団信もあるが、どんなに想定して準備していても、それでも想定していなかったことが起きるからこそ「万が一」なのだ。少なくとも計画段階で無理のないものにして購入を検討したほうがいいだろう。(ZUU online編集部)