セミナーの特徴を知ろう
賃貸経営大家向けのセミナーは多数存在するが、いいセミナーやよくないセミナーには共通点がある。まずはどのセミナーを受講していいか迷うことだろう。ここでいいセミナーを見つけるためにすべきことを紹介しよう。
まずクチコミはチェックしておきたい。いいセミナーはWeb上のクチコミでも高評価を得ていることが多い。また開催回数についてもある程度実績があるところを探すのがポイントだ。セミナーの中には高額なセミナーも存在する。費用に見合っていればよいが、不当に高いセミナーもあるので、気を付けたい。
一般的に有料のセミナーは内容が濃いものが多い。しかし賃貸経営大家向けのセミナーについてはそうでもないケースも多々ある。大手ハウスメーカーではプロの講師を呼んで内容の濃いセミナー開催もたびたび行っているのでそちらのチェックもおすすめだ。
セミナーはあくまで賃貸経営の入り口段階である。賃貸経営をするためにはセミナー出席などを経て自分で勉強して知識を深めることが欠かせない。セミナー以外にも本などを参考にするのもいいし、実際に取り組んでいる人の話を聞くこともしておきたい。いい印象のセミナーでは講師との交流もぜひ図りたいところだ。個人的な疑問をぶつけてみるのもいいだろう。
よくないセミナーの見分け方
よくないセミナーの典型の一つは、物件購入の即決断をさせようとするものだ。セミナーの勉強が目的かと思いきや物件販売が主流なのである。勉強目的の人にとっては寝耳に水だろう。
こうしたセミナーで紹介される物件は収益が出る良いものならいいがそうしたケースはまれである。特に土地勘がない人は注意が必要である。購入物件の価値は立地などを含めてチェックが大事だ。家賃はもちろん、集約率も大きな影響が出てしまう。
「自分は騙されない」と思っても、営業トークに押されて思わず買ってしまったという人もいる。「今ここで決断しなければこの物件はすぐに人手に渡ってしまう」「すぐに買えば大幅値引きをする」といったトークは要注意だ。
専門性の高いプロが言うならきっとそうなんだろう……と思い即決で購入してしまう例も後を絶たないようだ。
不動産は一般的な買い物と異なり高額な取引である。即決した場合のリスクも覚えておきたいところだ。購入後地盤が悪い場合は、地盤対策が必要になることもある。物件購入の場合は、物件傾きなど問題が出ているケースもある。その他、環境についても現在・将来合わせて検討する必要がある。
そのようなセミナーを避けるためにも、事前にインターネットで会社の状況や講師、過去の実績など調べるべきだ。過去の開催実績があまりない場合は、参加を控えたほうが無難かもしれない。悪徳業者がセミナー名を変えてセミナーを開講している可能性もある。
セミナーで即決の購入を促すような不動産は購入しないほうが無難といえるだろう。
参加の際の注意点
賃貸経営といってもさまざまなセミナーがある。無料セミナーでも役には立つが、初心者向けのものが多く、実践や奥深い内容は含まれないケースが多い。
大手ハウスメーカーの場合、自社で顧客確保したいという狙いももちろんあり、経営手法や積算についても自社メーカーのおすすめポイントが多く見られる。もちろん大手ゆえの強みもあるが、実際は他の管理会社のほうが手数料が安いというケースもある。
最初に受講したセミナーが好印象だったからといって、すぐにそこで購入から管理までお願いするのは避けたほうがいい。少なくともあと2〜3社は見て比較すべきだ。他と比較することで分かることもあるはずだ。たとえばコスト面。管理費などは他社と比較したい。
賃貸経営は基本的に長期に渡って続けるもの。セミナーの内容はその時点での参考であって、環境や制度の変更、市場の変化に対応するには、時々参加してキャッチアップしておきたい。例えば法改正は1年に1度のペースで実施される。法改正で対処しなければならない問題が突如発生するかもしれないので、改正後どうなるかといった点はおさえておくべきだ。(山本さくら、元不動産業界のフリーライター)