平昌冬季オリンピックやサッカーワールドカップなど、2018年もスポーツ選手の活躍によって数々の感動を我々に与えてくれています。トップアスリート選手は、なぜコツコツと継続して練習に取り組むことができるのでしょうか?そこには、成功するために実践しているマイクロ習慣があります。ここでは、オリンピック選手が継続して練習に取り組めるコツを考察します。
成功するための習慣
『The Power of Habit(習慣の力)』の著者であるチャールズ・デュヒッグ氏は、習慣の力をうまく利用することを「習慣ループ(繰り返し)」という言葉で表しています。さらに、キーストン習慣という成功するための習慣についても説明しています。キーストン(keystone)とは欠かすことができない重要な要素という意味で、要となる習慣といえます。キーストン習慣を継続することで成功する可能性が高まるということです。
習慣とは怖いもので、私たちは良い習慣も悪い習慣も無意識のうちに行っているといわれています。習慣が良い方向に進むと、心身ともに健康で幸せな日々を送ることができるかもしれません。しかし、良い習慣を自分で取捨選択する力を持ち、続けられるかどうかが大切なのです。
要となる習慣の特徴
要となる習慣の特徴を、史上最高の五輪選手といわれ28個のメダルを獲得したアメリカの元競泳選手マイケル・フェルプスの例で考察します。
・小さな達成感
2008年8月、マイケルは北京のオリンピック村で午前6時半に目を覚ますと、いつものようにストレッチを始めました。当日出場する200メートルバタフライは午前10時スタートです。レース2時間前にはストレッチし、8時半にはプールへ向かいます。ウォーミングアップで45分経つと、水から出て競泳用の水着に着替え、いつものヒップホップ曲をヘッドフォンで聞きながら出番を待ちました。彼が7歳から水泳を始めたマイケルの才能をコーチが見抜き、才能を最大限に発揮するためにどうしたらよいかと考え、小さな達成感を積み上げることを思いつきました。
小さな達成感を繰り返して習慣化すると自信になり、大きな目標を成し遂げやすくします。マイケルが行うレース前のストレッチやウォーミングアップは決められた行動で、小さな達成感を得るマイクロ習慣だったのです。マイケルにとってレース本番は習慣の1ステップに過ぎず、勝つことは特別なことではありませんでした。
・習慣は基礎
寝る前と朝起きたらイメージトレーニングをするように……。10代のころからマイケルは練習後にコーチから口酸っぱくして言われ続けました。マイケルは毎朝毎晩、ベッドの中で完璧に泳ぐことをイメージしました。プールに飛び込み、水をかき、ターンしてゴールするまで現実に泳ぐような感覚でした。目を閉じて正確に焼き付け、何度も何度も細かいことまで継続して想像していたそうです。
レース本番を意識した練習では、コーチが「イメージトレーニングを思い出せ」と叫びました。何千回、何万回と継続して同じ泳ぎ方をイメージしていると、次第に速さが増していったのです。本番前には、「イメージトレーニングを忘れるな」というコーチの一言だけで自ずと結果は導かれました。朝晩欠かさずイメージトレーニングをしたことが習慣の基礎となり、レース本番では冷静さを失うことはなかったといいます。
・ポジティブな影響
200メートルバタフライのレース開始4分前。名前が場内アナウンスされるといつものようにスタート台に立ち、一度降りて3回腕を振りました。再びスタート台に上がり、合図で飛び込み。その瞬間、マイケルはゴーグルの中の水滴に気付き、徐々に悪化すると視界がぼやけていったのです。なんと最終ラップでは、白線やゴールまでの距離さえ分からなくなっていたほどでした。
オリンピック本番のレースで視界を失ってもマイケルは冷静でした。実は、「どんな緊急事態にも対応できるように」と、マイケルとコーチは真っ暗な中でも泳ぐ練習をしていました。「残り何ストロークか」を最終ラップになると考え、18ストローク目にフィニッシュを意識します。19、20と水をかき、「あと1ストローク!」とイメージトレーニングを実行することで、壁に手が届いたのでした。
電光掲示板にはWR(世界新記録)が表示されました。こうして勝ち得た金メダルもマイケルには特別なことではありませんでした。「何かゴーグルに問題があったときなどにどうするか」という事前のイメージトレーニングは万全でした。ポジティブな影響を与える継続的な習慣が、成功への確信をもたらしたといえるでしょう。
マイクロ習慣は夢や目標を叶える原動力
どんな強じんな精神を持つアスリートでも、意志の力には限界があるといわれています。精神の限界を乗り越えるのが、小さなことを毎日継続するマイクロ習慣です。要となる習慣はビジネスや生活などに大きな影響を与えます。継続することで人生を大きく変える可能性さえ秘めています。
このように、マイクロ習慣は自分の夢や目標を叶える原動力となります。今日から人生にポジティブな影響を与えてくれる習慣を始めてみてはいかがでしょうか。(提供:J.Score Style)
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