『NET MONEY』復刊を記念し、ZUU online上にて8月15日より復刊号の一部を特別公開!

(本記事は、『NET MONEY』2018年10月号よりZUU online編集部が一部、編集・抜粋しています)

「テンバガー」とは、株価が10倍に化けた銘柄のこと。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングやヤフーなどは誰でも知っているテンバガー銘柄だが、それ以外にもさまざまな銘柄がテンバガーを達成している。過去のテンバガー銘柄を徹底分析することで共通点が浮上。

テンバガー
(画像=ZUU online編集部)

【分析してくれたのは「RAKAN RICERCA」のお2人】

村瀬智一(TOMOKAZU MURASE)
大東証券(現みずほ証券)でディーラー業務を経験。その後、金融情報会社フィスコを経て、この夏に独立。需給面から相場の流れを探り、相場テーマを物色していく。
若杉篤史(ATSUSHI WAKASUGI)
帝国データバンク、金融情報会社フィスコを経て、村瀬氏と会社を設立。企業業績を分析し、相場のテーマや需給の動向などを検証して中長期目線で銘柄を選定していく。

(1)本格派代表 MonotaRO(東1・3064)

――業績は順調に拡大。株式分割により流動性も加わる。約10年で株価は170倍超になったモンスター銘柄。

テンバガー
(画像=NET MONEY 編集部)

【本格派はこんなタイプ】
株式投資の王道。ニッチトップ企業や超有望テーマ株の主力どころ、イノベーション(技術革新)による成長実現といった株式投資の醍醐味的な銘柄が該当する。B to B(企業間取引)、B to C(企業対個人間取引)などの縛りはなく、業績面からも高成長を続けている銘柄が多い。野球に例えるなら安定的な長距離打者だった元メジャーリーガーの松井秀喜さんか。

【上場3年で東証1部へ。連続2ケタ増益の成長企業】
工場・工事用、自動車整備用等の間接資材(研磨剤やドリル、軍手など)の通信販売会社。ビジネスモデルの特徴は、商品をほぼ1個単位で購入できるほか、どの事業者にも同一の価格で間接資材を販売するという点だ。日本には流通していない海外の商品を直接流通により仕入れ、一般的な価格よりも安く販売。市場の慣習によって売り手から不公平な価格を強いられがちであった中小企業を中心に支持を受け、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。

2006年12月に東証マザーズに上場すると、その3年後の2009年12月には東証1部への鞍替えを果たした。2010年8月には1株を2株とする株式分割を実施。流動性が高まる格好となり、このころに時価総額が100億円を突破している。これにより機関投資家の資金流入が期待されるうえ、連結決算に移行した2011年12月期から現在に至るまで連続で2ケタ増収増益を継続。成長性への評価が高まり、投資家の注目度も右肩上がりだ。

株価上昇に伴い2011年8月、2013年4月にも株式分割を実施し、一段と流動性を高めた。積極的なテレビCMによる知名度向上により、登録ユーザー数は2009年7月に40万件を突破すると、その後も順調に拡大。2017年12月期時点では270万件を突破している。2010年4月に海外輸出事業を開始すると、2013年1月には韓国、10月には東南アジア、2016年10月にはインドネシアへ進出するなど海外展開を加速。

また、取り扱いも自動車関連業界向けからオフィス・店舗用品に広げ、2015年5月には医療・介護用品に参入するなど、拡大を進めている。これにより2011年1月の取り扱い点数120万アイテムから、今年3月には1500万アイテムに増加。東京五輪に向けたインフラ整備などの思惑も、長期的な上昇相場の一助となっている。

まさに成長株の見本。テンバガーになるべくしてなった銘柄だ。

(2)技巧派代表 ブイ・テクノロジー(東1・7717)

――有機EL関連の物色に乗り、注目度アップ。世界が注目する技術で大口受注を次々獲得。

テンバガー
(画像=NET MONEY 編集部)

【技巧派はこんなタイプ】
インバウンド(訪日外国人)、サイバーセキュリティー、人材など、国策関連の銘柄が該当することが多い。地味な銘柄も多い半面、高度な専門技術などの裏打ちがあることも多く、相対的にはチャートが大きく崩れにくい。

【度重なる業績の上方修正。有機ELのテーマにも乗る】
液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ製造用の装置メーカー大手。2016年5月10日に発表した業績の上方修正をきっかけに騰勢開始。大口受注の公表や中期経営計画が評価され株価を押し上げた。その後、「中国企業が有機ELパネルに集中的に投資」「2020年ごろまでの投資総額は2兆円超」になると一部メディアが報道。また、アップルの「iPhone」に関連する報道も加わり、有機ELがマーケットのトレンドの一角となったことも支援材料となった。

昨年5月に2017年3月期通期予想の上方修正を発表、その数日後には2018年3月期の大幅増益見通し、続いて大口受注の公表で株式市場を大いに沸かせた。さらに、今年2月にはダメ押しで2018年3月期予想の上方修正や、創業20周年の記念配当を含む驚愕の大幅増配を発表。大口受注の公表なども加わって株価はもう一段の上昇。3万2450円の高値をつけるに至った。

(3)俊足派代表 サイバーステップ(東2・3810)

――わずか6カ月でテンバガーを達成。一気に注目度が高まるも、その後は人気が離散

テンバガー
(画像=NET MONEY 編集部)

【俊足派はこんなタイプ】
名前の通り、足の速い「短期急騰型」を指す。ゲームなどの単発爆発ヒット、テーマ株の短期爆発、仕手筋による株価急騰などが該当。よくも悪くも一発屋、株価上昇の再現性が乏しい株(その後ヒットがないなど)も含まれる。

【ゲーム株物色の流れに乗り株価は急騰も、のちに急落】
オンラインゲームの開発企業。昨年1月に発表した2017年5月期の第2四半期決算は従来予想を上ブレ。同時にスマホ向けゲームアプリ「ゲットアンプドモバイル」の公式サイトを公開して期待感は一気に加速。パソコンオンラインゲーム「ゲットアンプド」シリーズは世界13カ国・地域、累計3000万人超がプレーした実績を有していたことが期待感の背景だ。

また、スマホゲームに関してサンリオと契約を締結、クレーンゲームアプリ「トレバ」の大規模増台も追い風となった。4月には2017年5月期予想を上方修正。営業利益は従来予想から9倍近くにまで跳ね上がった。折しもゲーム株物色が過熱していた中でもあり、業績を伴ったゲーム株の存在は市場でも異色の存在に。しかし、7月に過度に保守的な通期予想を発表したことで、高まった期待は崩れ去った。

(4)二刀流代表 RIZAPグループ(札ア・2928)

――株価も「結果にコミット」。積極的なM&Aで時価総額も100億円を突破。機関投資家も注目。

テンバガー
(画像=NET MONEY 編集部)

【二刀流はこんなタイプ】
M&Aの活用などによる急成長株、多角経営がうまく機能している企業などが該当。また、B to Cの企業であることが多く、ブランド認知度が高いうえに、消費者目線でマーケットを開拓している。最も希少なタイプ。

【東証1部上場が期待される地方市場上場の超有名企業】
個室ジム「ライザップ」が主力で、祖業は美容・健康関連の通販。M&A(企業の合併・買収)を積極活用して成長を続けている。パーソナルジムのライザップは活発なテレビCM「結果にコミット」が流行語大賞にノミネートされ、社会現象を起こすなど認知度は高い。

好立地を避けることで費用が抑制でき、マシン数も少なくて済むため、これまでのスポーツジムの概念を打ち破る格好で業績も好調に推移している。スタイル改善によって、オシャレなどに興味が沸くとの見方から、アパレル企業のM&Aを積極的に推進。低迷するアパレル企業を早期再生する手腕が評価され、市場の注目度も高まった。

札幌アンビシャス上場ながらも成長評価が高まり、時価総額100億円突破あたりからはファンド筋など機関投資家の資金流入が加速。ライザップの展開初期には週刊誌にたたかれる局面も見られたが、企業イメージを落とさず、成長とともに株価を押し上げた。

NET MONEY
『NET MONEY』2018年10月号
「休刊=廃刊」が常識の出版業界で、8月21日に「復刊」が決まった「NETMONEY」。新装刊となる10月号では、総力特集である「発掘!テンバガー53銘柄」をはじめ、投資家に人気の「株主優待特集」、「手続きだけでもらえる給付金・助成金」、「実家の空き家対策」などマネーに関する得する情報が満載です。そのほか連載では、株プロによる渾身の1銘柄やマーケットで話題の注目銘柄を専門家の視点で丸裸にしていきます。