(本記事は、安藤新之助氏の著書『NOをYESに変える「不動産投資」最強融資術』ぱる出版、2018年8月31日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
銀行が1円でも貸したくない人6つのタイプ
世の中、お金にルーズな人はごまんといます。
お金を友人知人、身内に貸して返ってこなかったことはありませんか?
そんな経験は誰もがもっているのではないかと思います。
当然ながら、お客様から預かった大切な預金を扱う立場の金融機関は、お金にルーズな人とはお付き合いしたくないわけです。
そんな人との時間は1秒でも使いたくない。金融機関はそう思っています。ではどんな人か? 私は大別して6つのタイプがあると思います。
(1)1円を大切にできないひと
(2)時間にルーズな人
(3)業績の悪い会社、個人、預貯金のない人
(4)カードキャッシングなどを頻繁に使う人
(5)嘘を平気でつくひと
(6)お金を借りられないと激怒する人
(1)1円を大切にできないひと
「1円を笑う人は1円に泣く」よく聞く言葉です。
道に1円が落ちていたら拾いますか?
聞かれれば拾うと言うでしょうが、たいていの人はわざわざ拾わないのではないでしょうか。
うちの子供にこんな話をします。
私 :1円欲しい?
子供:1円なんていらない!何も買えないから。
私 :100円のパンを買うのに99円しか持っていなかったらパンは買える?
子供:買えない。
私 :足りないのは?
子供:1円…
残念ながら、子供でも1円を馬鹿にしています。
そんな場面があったのでこの質問をしたら、ハッと気づくものがあったようです。
毎月10万円のローン返済で、口座に1円足りない99999円でもアウトです。
たった1円ですが失う信用は図り切れない。
よく、コンビニで小銭が出たときに「かさばるから」と言って募金箱に入れる方がいらっしゃいます。
心から、役立ってもらいたいという気持ちからなら良いのですが、重いとかかさばるからと言って、箱に入れる方はどうかと思います。
ちなみに私は、使途のはっきりした公の募金以外したことありません。
貸手側として、1円の大切さを知らない人にはお金を貸したくないのです。
(2)時間にルーズな人
時間にルーズな人は、世の中にあふれるくらいいます。
私の知人や仕事の関係でも、名前をあげれば何人もでてきます。
それくらい多いのです。
お金を借りたら、返済期日というものがあります。
貸手として、この期日を守ってくれない人はとても困りものです。
貸した側の支店、担当者は引き落とされないと成績にかかわってきます。
時間にルーズな人は自分本位で、他人の事をあまり考えない方が多い。
言い訳を言わせたら、とても見事に語ってくれます。
また、本当にたまたま突発的な事情だったり、勘違いで遅れてしまうようなケースもあるでしょうが、ルーズな人は必ずまた遅れてきます。
ようは常習性ですね。
いつも時間をきっちり守っている人が、たまたま連絡を入れて遅れてくる場面であれば、きっと何かのやむを得ない事情があったからだろう…と慮ってくれるもの。
本来なら遅刻はご法度ですが、そう察してくれるのも今までの「信用の貯金」があったおかげ。時間にルーズな方は、遅刻の頻度が高く、信頼に欠けますので、貸手としてはお付き合いしたくありません。
(3)業績の悪い会社、個人、預貯金のない人
業績の悪い会社、個人事業主で預貯金のない人に、お金を貸したくありません。
貸したお金が返ってこない可能性が、高いからです。
「お金を貸してほしい理由」を借りる方は持っていますが、残念ながら信用として欠くものがあります。
「必要な時にお金を借りることができるのが金融機関」なのですが、厳しいかな、誰でもということはできません。
貸手として、やはり実績を重要視します。
サラリーマンでも同じです。会社の勤続年数、年収、役職、預貯金を1つの実績としてみています。勤続年数20年、40代、年収が1000万以上あっても、貯金がゼロの人もい ます。
金融機関の担当者いわく、属性の良さ=お金を安心して貸せる、わけではないそうです。
「これだけ年収があってナゼ預貯金がないの??」全くの別物と考えていると言います。
ニュースを見ると、公務員や政治家、上場企業の社員や銀行員、属性に関係なく、お金に関してのトラブルは多発してます。年収が少なくても、計画性があって毎月コツコツと預貯金できる人のほうが、貸手として安心です。
そういった意味でも、肩書や年収の多さではなく、その人の人間性になってきます。
(4)カードキャッシングなどを頻繁に使う人
唯一、手軽にお金を借りることができるのが、クレジットカードのキャッシング・リボルビング、そして消費者金融でしょう。
過去に焦げ付きがなければ簡単に作れてしまいます。
これは本当に便利です。
今は昔のように総量規制で借入れることができなくなりましたが、このようなお金の使い方をする人に対し、貸手側がリスクを負う分、金利が高く設定されています。
通常の金融機関から借りた場合の金利に対し、数倍以上の金利です。
手軽に借りれてしまうからと言って、利用してしまうと信用棄損になってしまいます。
・給料日までお金が足りなくなってしまい、ついキャッシングしてしまっている…
・ブランド物が大好き。我慢できずついリボルビングで買ってしまう…
これも、身の丈に合う生活ができてない、計画性がないという裏返しです。
これは高い金利を払うことになり、結果的に購入した物が割高になってしまいます。
ただし、クレジットカードの翌月一括払いなら、きちんと滞納なく引き落とされていれば問題ありません。
高金利でも平気でキャッシングやリボルビング、消費者金融でお金を借りてしまう人は貸手に不信を与えてしまいます。
よほどの事がないかぎり利用するのはやめましょう。
(5)平気でうそをつく人
金融機関は基本的に性善説で話を進めます。
(信頼関係の薄い間柄の場合は、借手を疑ってみていますが…)
よって、嘘、偽りがあることをとても嫌います。
嘘も方便はダメです!
預貯金を多く見せたり、粉飾決算であったりすると信頼関係が失墜します。
金融機関の担当者は、話の内容をしっかりと覚えています。
私が10年間、金融機関とお付き合いさせていただいているなかで、金融機関のスタッフの記憶力の良さは印象的です(認識違いはありますがが)。
私も、比較的記憶力の良いほうなので、言った言わないで疑心暗鬼になることがないのはありがたく思います。
金融期間はお金を融資するプロです。
お金にまつわる事例をたくさん見ているし、小手先の嘘、偽りは簡単に見抜きます。
それも、うっかりなのか意図的なのかもある程度察しがついてしまうと言っています。
世の中には、平気で手のひらを返すように言ったことを覆す人がいます。
それに対して、後ろめたさなんて全くない。
国政を担う政治家や、エリート官僚だって当たり前のように嘘をつきます。
間違いなら間違った、分からないことは分からない、と正直に言える誠実さが信頼関係構築への近道です。
(6)お金を借りられないと怒る人
お金がかかわると、人間の本性がでます。
特に感情のぶつかり合いになることが多い…
金融機関は1円でもお金を多く貸したいと考えてます。
借りられない理由の大半は、借手にあることが多い。
金融機関は断るに至った理由を明言せずに、「総合的に判断して今回は見送り」となんともしっくりこない断り方をされます。
これは、「融資不可の理由を明言すると、それを改善するからなんとかして欲しい」と食い下がれてしまうからです。
また、その理由が借手本人の気分を害すような事情であった場合、トラブルになったりする可能もあります。
貸手からすれば、「感情のコントロールできない怒りっぽい人」とは付き合いたくないと思っています。
そういう私も、担当者の失礼な対応に2度ほど怒ったことがあります。
2回とも明らかに相手側が無礼な対応をとったことが原因です。
1度目は激怒し、声を荒げてしまいました。
もうその金融機関とはお付き合いできていません。
2度目は、某地方銀行での融資にまつわるトラブルです。
「担当者のふるまいが、侮辱的で心外で失礼な対応であった」ことが原因でした。その上席の方は、そのトラブルを真摯にうけとめてくれフォローしてくれました。
行員に非があることを認めたうえで、私の対応をとても評価いただき、その上席が担当することになりました。
その地方銀行とは後に2億以上のフルローンの内諾を得た実績があります。
融資を受けれない事で怒る人はたくさんいるそうです。
気持ちはよくわかりますが、怒り方でもひと工夫して次につなげたいものです。
私の苦く悔しい経験ですが、親の資産背景を提示するように言われ、家や田畑の謄本を提出したことがあります。
そしたら担当者に「二束三文にもならない土地」「1億以上の融資を受けた後に、また数千万の融資を受けようとしているのは論外」といわれました。
この件はのちほど詳しく記します。私自身の事を言われるのならまだ我慢できますが、身内の資産にケチを平気でつける担当者には正直腹が立ちました。
でも、そこはぐっとこらえて「今に見返してやるぞ!」とそちらに怒りのパワーを向けました。
いまでは、その銀行の別の支店ですが、良いお付き合いをさせていただいています。
感情のコントロールできない人は、「経営者としての資質を問われる」と判断されてしまう可能性があります。
常に冷静に客観的に考えるようにしましょう。