今日は投資額388万円と118万円の「好配当利回りファンド」を日本株でつくる方法を解説します。米国でかつて有名になった「ダウの犬戦略」を使います。このレポートは、5月17日のレポート内容をアップデートして、お届けするものです。

「ダウの犬」戦略とは

ダウの犬,トウシル
(画像=トウシル)

米国で有名になった投資手法です。投資方法はきわめてシンプルです。

(1) NYダウ採用銘柄(30銘柄)を配当利回りの高い順に並べ、上位10銘柄を選びます。その10銘柄に等金額投資します。

(2) 1年後に、もう一度NYダウ採用の配当利回り上位10社をスクリーニングします。1年前に投資した銘柄で、上位10社から外れた銘柄を売却し、代わりに新規に上位10社に入った銘柄を買います。

(3) その後も1年ごとに、上記の方法でリバランス(銘柄入れ替え)を続けます。
 たったこれだけのシンプルな投資方法で、NYダウを上回るパフォーマンスが挙げられることが多かったので、「ダウの犬」戦略は有名になりました。

「ダウの犬」を日本株に輸入しよう

このシンプルな方法は、日本株にも応用可能です。NYダウは米国に上場する時価総額の大きい銘柄30から構成されます。日本で言えば、時価総額上位30社は「コア30」と言われる指数を構成する銘柄ですが、この中から配当利回りの高い10銘柄を選べば、「ダウの犬」と同様の戦略をとることができます。9月19日時点では、以下10銘柄がそれに該当します。

東証1部コア30採用銘柄のうち、配当利回り上位10社

表1
(出所=配当利回りは、1株当たり年間配当金(今期会社予想)を9月19日の株価で割って算出)

実際にポートフォリオを作ってみる

それでは、上記の10銘柄を使って、実際にポートフォリオを組んでみましょう。完全に10銘柄に同額を投資することはできないため、なるべく等金額になるように作ったのが、以下のポートフォリオです。全体の金額は約388万円です。このポートフォリオの平均配当利回りは4.0%です。

東証1部コア30銘柄から作った「ダウの犬」ポートフォリオ(平均配当利回り4.0%)

表2
(出所=楽天証券経済研究所が作成)

次に、非課税で投資できるNISA(少額投資非課税制度:年間の投資枠は120万円)で、投資できるように、投資金額を120万円以下に抑えて作ったのが、以下のポートフォリオです。このポートフォリオの平均配当利回りは4.3%です。

ダウの犬ポートフォリオから、118万円で買えるように銘柄をしぼったポートフォリオ(平均配当利回り4.3%)

表3
(出所=楽天証券経済研究所が作成)

上記はあくまでも1つの例に過ぎません。投資金額や期間を考えれば、他にもさまざまな投資の組み合わせが可能です。

投資信託で「好配当利回りファンド」を選んで買うのもいいですが、まとまった資金があるなら、こんなふうに自ら「手作りファンド」をつくるように、個別銘柄を買うのも悪くないと思います。

投資信託を保有すると、信託報酬(ファンドから差し引かれる管理手数料)がかかりますが、自分で個別銘柄を保有すれば、信託報酬はかかりません(売買手数料は必要です)。長期(5~10年)で資産形成を考えるならば、上記ポートフォリオに投資して、長期保有するのもいいと思います。

窪田 真之(くぼた まさゆき)
楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト
1984年、慶應義塾大学経済学部卒業。住友銀行、住銀バンカース投資顧問、大和住銀投信投資顧問を経て2014年より現職。日本株ファンドマネージャー歴25年、1000億円以上の大規模運用で好実績をあげたスペシャリスト。

(提供=トウシル

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