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戌亥の借金、辰巳で返せとは?

この格言は、もとは株式の格言ではなく商売の格言です。「戊亥」の年に借金をして「辰巳」の繁盛期の年で返済していくとの意味です。「戊亥」から「辰巳」までの4年間「子丑寅卯」は一生懸命、努力するとの意味も含まれています。どうしてこのサイクルとなったかは不明ですが、検証してみましょう。


相場と景気

東証が発足したのが1949年。2014年までにある干支の5サイクルのうち、直近3サイクルの相場の日経平均終値を使い、 「戊亥」の年と「辰巳」の年の高安をそれぞれ比較して、 この格言に当てはまっているかどうか検証します。さらにその後、景気動向も加えて解説します。

直近は「戊亥」が2006年2007年、「辰巳」が2012年2013年です。2006年は15000円弱から17000円強のレンジ相場、2007年には18000円超も記録したが、サブプライムローン危機が発生し、年末には15000円へ向けて下落しています。対して、辰の2012年は年初の8000円から春先に10000円を超えましたが、その後は8200円から9200円のレンジ相場となっていました。ところが、年末の野田首相の衆議院解散宣言から安倍政権誕生までの流れで上昇気流に。翌2013年の大発会で高値16291円をつけるまでアベノミクス効果で右肩上がりでした。

この「戊亥」と「辰巳」は安倍首相と深く関わり合いがあります。第一次安倍内閣は2006年9月に誕生、第二次安倍内閣は2012年12月に誕生しています。第一次安倍政権は、2006年に戦後最長の「いざなぎ超え」を記録し、順調に経済は伸びるかとも思えましたが、2007年に安倍首相の体調不良による退陣、さらに勃発したサブプライムローン危機、翌2008年にはリーマンショックのため、とても「辰巳」でした借金を返せるような状況ではありませんでした。ここは、相場としても景気としても「戌亥の借金、辰巳で返せ」とは言えません。

次は「戊亥」が1994年1995年、「辰巳」が2000年2001年です。1994年は19000円弱から21000円強のレンジ相場。1995年に入って夏までは20000円から1500円への下げ相場です。底をついてから年末の20000万円回復に向けて上げ相場となりました。対して辰の2000年は序盤に20000円の大台にのるものの、その後は下げ相場となり年末には14000円を切ってしまいます。翌2001年、前半は12000円弱から14000円強のレンジ、後半は10000円弱から110000円強のレンジとなりパッとしない年でした。相場では格言通りとはいきませんでした。

しかし、景気でいうと「戊亥」の直前からアメリカでITバブルが起きています。日本も当然影響を受けておりソフトバンク<9984>、楽天<4755>など今の日本経済を牽引している企業が興隆しました.そのため景気の部分では「戌亥の借金、辰巳で返せ」と言える部分もあります。

さらに遡ります。「戊亥」は1982年と1983年、対して「辰巳」は1988年と1989年です。これは説明するまでもなくバブル景気の相場なので確認するまでもありません。完全右肩上がりです。1982年最初、8000円前後から始まった日経平均は毎年右肩上がりを続け1989年の12月には日経平均最高値の38915円を記録しています。これは相場も景気も完璧に「戌亥の借金、辰巳で返せ」に合致しています。

残りの2つ(戊亥1970年1971年、辰巳1976年1977年)(戊亥1958年1959年、辰巳1964年1965年)も日本の高度成長期真っ只中なので、このバブル期と同じような日経平均の上がり方をしており格言にあてはまります。結果として5回中3回あてはまりましたが、直近2回があてはまってないので昨今は効果が弱くなってきた格言と言えます。