「投資信託」については多少知っていても、「ETF」については詳しくない人は少なくないだろう。ETFはExchange Traded Fundの略でも投資信託の一種。日本語では「上場投資信託」とも呼ばれる。要は「証券取引所に上場している投資信託」のことで、投資信託との一番の大きな違いは、証券取引所に上場している点だが、上場しているとどういうメリットがあるのだろうか。

ETFはコストがお得、東証上場は200種ほど

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(画像=Gustavo Frazao/Shutterstock.com)

ETFには様々な種類があり、2018年9月現在、東京証券取引所で購入できる銘柄数は200銘柄以上。対象は日経平均やTOPIXをはじめ、国内株式、原油、金、プラチナ、不動産、外国株、債券など実にさまざまなETFがある。

ETFのメリットにはコストの安さがある。同じような対象に投資する投資信託とETFのコストを比べると、基本的にはETFのほうが安く済む。

投信の購入には購入金額の1~3%程度の販売手数料がかかることが多いが(ノーロードという無料の投信もある)、購入金額が多いほど手数料も増える。

一方ETFは上場しており、コストは株式の売買手数料と同じなので(購入する量にもよるが)投信より割安になる。余計なコストがかからないため、その後の運用についても浮いたコスト分だけ有利な運用が可能だ。

信託報酬に関してもETFは安い。投資信託には、購入時に発生する販売手数料以外に信託報酬という管理手数料が発生する。この信託報酬は日々差し引かれており、0.5~2%程度はかかる。ETFの信託報酬は、0.1%などと格安に設定されている場合が多い。このように、ETFは購入手数料だけでなく信託報酬に関しても低コストで運用ができるのが魅力だ。

取引時間中であればいつでも少額から取引可能

ETFは少額から投資ができるのもメリットといえる。多くのETFでは1口や10口単位から売買でき、銘柄によっては数千円程度から購入できる。何十万円、何百万円というまとまった資金を準備しなくてもETFを購入することができる。これは投資信託も同様だが、ローリスクで取引経験を積むことができる。

ETFを買える時間帯は投資信託と少し異なる。投資信託の基準価額は1日に1度だけ決定され、売買はその価格で行われる。一方ETFは、売買できる時間が証券取引所の取引時間と同じで、東証であれば平日9:00から11:30までと、12:30から15:00まで。この時間内であればいつでも売買可能だ。もちろん価格も株と同じようにリアルタイムで変化する。

以上、ETFはコストが低く、少額からリアルタイムで売買できるのが長所だ。投資経験を積む意味でも、初心者は検討したい金融商品といえるだろう。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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