今年8月30日の誕生日に88歳になるウォーレン・バフェット氏の資産は約840億ドル(約9.2兆円)で、世界3位に君臨しています(2018年2月時点)。生まれ故郷のネブラスカ州オマハに今も暮らしていることから「オマハの賢人」と呼ばれるバフェット氏ですが、投資に関する発言はどれも哲学者のように含蓄の深いものばかり。世界一の投資家・ウォーレン・バフェットから、株式投資で大成功するための秘訣を学んでいくことにしましょう。

全体相場の暴落や景気後退期の株価下落を狙う

資産を増やす方法
(画像=HelloRF Zcool_Shutterstock.com)

バフェット氏の投資手法は実にシンプルです。一番の投資哲学は、目をつけた優良企業の株価が極端に下がって非常に割安になったところで買う「底値買い」にあります。

1960年代、バフェット氏は、融資案件の焦げ付きで経営不振に陥り、株価も大暴落したアメリカン・エキスプレス株を非常に割安な株価で購入しました。バフェット氏が経営する投資会社バークシャー・ハサウェイは今も大量のアメックス株を保有しています。その成果は言うまでもありません。

また、バフェット氏の投資銘柄の中でも非常に有名なのは、彼自身が大好物でいつも飲んでいるコカ・コーラの株です。1988年から彼はコカ・コーラ株に投資を始めましたが、それは1987年10月にNYダウ平均が22.6%も暴落したブラックマンデー直後のことです。

「投資家には見送り三振はない。空振りがあるだけ」と語るように、株価が高値圏にあって割高なときは気長に様子見を決め込み、金融危機や景気後退、その会社の不祥事などで、優良企業の株価が割安になったところで買うのがウォーレン・バフェットの流儀なのです。

狙うのは有料の橋のような「消費者独占企業」

そんなバフェット氏が好む銘柄は、消費者に対して絶対的なブランドを確立した「消費者独占企業」です。バフェット氏が大儲けしたコカ・コーラ、ウォルト・ディズニー、ヒゲ剃りメーカーのジレット株を思い浮かべれば、「消費者独占型企業」がどんな会社なのかイメージできるはずです。

バフェット氏はこうした企業を、川を渡って向こう側に行くには必ず通らなければならない「toll bridge(有料の橋)」にたとえています。

どうしてバフェット氏は「消費者独占企業」を「有料の橋」にたとえたのでしょう。その教えを実感したいと思うなら、コンビニエンスストアなどに行って商品をチェックしてみるとよいでしょう。最近のコンビニでは、その会社にとって利益率が高いプライベートブランドの商品を数多く見かけますが、そんな中でも、コカ・コーラはもちろんのこと、ポテトチップスやガム、アイスクリーム、インスタント麺など、そのジャンルで圧倒的シェアを誇る定番の商品だけは必ず置かれています。

消費者独占型企業の商品は必ず売れるため、必然的にお金を払う橋(有料の橋=toll bridge)に例えたのです。

圧倒的ブランド力がある優良企業の株を大暴落の日に買う

世界的に多くの消費者が見込める商品やサービスで、圧倒的なブランド力を誇る企業は「有料の橋」のように消費者を独占し、高い収益を上げることができます。それとは対照的に、バフェット氏が興味を示さない「コモディティ型企業」は、景気循環の波にさらされて業績が上下動し、同業他社が多いために熾烈な競争を強いられてしまうものです。

バフェット流投資を実践したいなら、まずは「このジャンルなら、この会社が絶対、一番」といえる商品やサービスを提供してくれる企業を見つけましょう。ただ見つけたからといって、すぐに買ってはいけません。

2018年は日経平均株価が取引時間中に1,600円以上も下落する大暴落がありました。そんな日に、日頃から目をつけておいた消費者独占型優良企業の株を買うのが、バフェット流投資の第一歩といえるかもしれません。ただし、暴落がいつ終わるかを判断するのはたいへん難しいので、プロが運用する投資信託に投資判断を任せるのも1つの方法でしょう。

(提供:フィデリティ投信