三大疾病の一つ、「がん」。早期発見・早期治療により治せる時代になってきているが、最良の治療方法が必ずしも保険診療の対象とは限らず、負担が大きい先進医療や自由診療の場合も多々ある。がんの罹患率は30歳ごろから徐々に高まるため、決して他人事ではない。備えあれば憂いなし、だ。

がん保険と医療保険の違い

保険,がん保険
(画像=Romaset/Shutterstock.com)

医療保険はがんを含む病気やケガを幅広く保障するのに対し、がん保険の保障対象は当然がんのみだ。その分、医療保険に比べて安い保険料で加入することができ、がんと診断された際にはまとまった一時金の給付や、入院給付金を日数無制限で受け取れるなど、保障内容はがん治療に合わせたものになっていることが特徴だ。

冒頭で述べたように、がんは罹患率が高く、治療費が負担になる場合も少なくない。そういったリスクに対応するため、医療保険に加えてがん保険にも加入する人が多い。

終身型と定期型がある

終身型は一生涯の保障があり、加入時の保険料を終身、またはある期間支払う。原則的に、保険料が途中で上がることはない。

一方、定期型の保険期間は5年や10年といった一定期間で区切られており、更新する際にその時の年齢に応じて保険料が徐々に上がっていく。長い目で見れば終身型より割高となるが、更新ごとに保障内容を見直すことができる。

保障内容その1――がん診断一時金

がんと診断確定された際に受け取れる給付金で、まとまったお金を速やかに受け取ることができるため、がん保険にとって重要な要素といえる。一般的には主契約に含まれている。

一部、給付条件として症状が軽い上皮内新生物の場合は減額あるいは給付なしといったこともある。

保障内容その2――入院給付金

がん治療のため入院した際に受け取れる給付金。1日当たりの金額や日数制限などがポイントとなる。がん保険は入院日数無制限の場合が多い。

保障内容その3――通院給付金

がん治療のために通院した際に受け取れる給付金。特約扱いの場合が多く、1日当たりの金額や日数制限、累計給付金額の上限などの給付条件に注意が必要だ。

近年、がん治療は抗がん剤治療や放射線治療など、通院で治療するケースが増えているため、しっかりと押さえておくべきポイントだ。

保障内容その4――手術給付金

がん治療のために手術をした際に受け取れる給付金。回数制限なしで手術するたびに給付されるものが多い。一部、「上皮内新生物の手術は1回まで給付」など給付条件が設定されている場合もあるので、しっかり確認しておこう。

保障内容その5――先進医療給付金

がんに起因する先進医療を受けた際に実費負担分を受け取れる給付金。大学病院などの高度な医療機関で研究・開発された新しい医療技術のため保険診療の対象とならず、治療費も基本的に高額となる。また、所定の病院に行くための交通費や宿泊費がかさむ可能性も高い。

対象となる先進医療の種類や医療機関は、随時見直されるため注意が必要だ。また、保険期間を通した上限金額が設定されている場合も多いので、確認は必須と言える。

保障内容その6――その他の特約

女性特有のがん治療に限定した特約や、自由診療を受けた際に給付金を受け取れる特約、緩和治療に対する給付金特約、がん診断後のストレス性疾病に対する給付金特約など、さまざまなオプションが用意されている保険会社もあるので、比較する際はどのような特約があるかまで細かくチェックするようにしよう。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)/MONEY TIMES

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