プライベートバンクという言葉を聞いたことがある人は多くいるでしょう。しかし、その実態については、ほとんど知らないという人が多いのではないでしょうか。プライベートバンクが提案する資産運用は、銀行や証券会社の窓口での提案とは全く異なります。彼らがどのような提案をしているのか、その原理原則を紹介します。

プライベートバンクと一般の銀行との違いは?

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スイスのプライベートバンク、J・サフラ・サラシン(画像=Denis Linine / shutterstock)

まず、簡単に、プライベートバンクと一般の銀行の違いについて解説しましょう。最も異なるのは、一般の窓口は、「商品の紹介」というプッシュ型の営業なのに対し、プライベートバンクは、「顧客の要望に応える」というプル型の営業なのです。

プライベートバンクのサービスを受けられるのは、1億円以上の資産がある方だけで、プライベートバンカーはごく少数の人たちを担当します。そして、彼らの要望に応えることができるよう、オーダーメイドで資産を管理するのです。

プライベートバンカーたちは、資産運用をどう考える?

では、何億円、何十億円もの資産を預かるプライベートバンカーたちは、いったい彼らの資産運用をどのように考えているのでしょうか。主なポイントを整理したいと思います。

・「目指すゴール」ありきで資産運用を設計する
先ほど述べたように、プライベートバンカーは、「オーダーメイド」でポートフォリオを作ります。そのため、「顧客が最終的にどのように資産形成をしたいか」を最も大事にします。

例えば、20年後までに今の資産を倍にするとか、相続のために分けやすい資産にしたいとか、孫の代まで安定して資産を増やしたいとか、プライベートバンクの顧客の要望は様々です。だからこそ、彼らの目指す姿を聞いて、それに合わせて資産運用の提案をするのです。

時として、顧客との付き合いが、子の代、孫の代まで世代を超えて続くこともあります。こういった、長い期間にわたり資産形成、資産管理をすることを前提にポートフォリオを設計していきます。

・全世界が投資対象。リスクをきちんと分散する

また、プライベートバンカーは資産を預かるだけではありません。ありとあらゆる手段で顧客の資産を守り、増やしていきます。

例えば、円資産だけだと円の価値が下がった際、資産価値は落ちてしまいます。そうならないように、円やドル、ユーロなど様々な通貨の資産を持つことで、リスクの分散を行っています。さらに現金だけでなく、株式や債券なども視野に入れた資産運用を行うことで、リスクを最小限に抑えながら、資産を増やしていくのです。

投資には昔から「卵を1つのかごに盛るな」という言葉があるように、資産運用の世界では資産を分散させればさせるほどリスクは低くなります。このようなリスク管理を、プライベートバンカーは会社の専門チームと協働しながら行います。

・借金も味方につける

また、プライベートバンカーの特徴として「借金」も含めて資産管理を行うということがあります。プライベートバンカーの多くは経営者や事業家であり、彼らは事業のためにお金を借りていることも多くあります。そういった資金もまるごと管理してアドバイスを行うこともあるのです。

さらには、時と場合によってはレバレッジをかけるために借金して資産運用を行うケースもあるようです。まさに一族の資産を預かる、専門性の高いプライベートバンカーならではの運用方法と言えるでしょう。

資産を守るために、プライベートバンカーの考えを利用しよう

プライベートバンカーは、何億円ともいわれる富裕層の資産を守るために高い専門性を持ってさまざまな方法で長期的に資産を守り増やしていきます。たとえプライベートバンクを使えなくても通貨を分散させる、資産を分散させるなど考え方は参考になる部分が大いにあるでしょう。ぜひ、プライベートバンカーの原則を参考にしてみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME


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