2018年に入り、改めて消費税増税について報道される機会が増えました。特に10%への引き上げが正式決定されたことにより、家計や経済への影響が取りざたされています。
そこで今回は、消費税増税の経緯やこれまでの歴史、そして普通の会社員にとってどれくらい影響がありどんな対策を取るべきなのかご説明します。
消費税増税の時期とこれまでの歴史
2018年10月に入って、安倍晋三首相は1年後の2019年10月1日より消費税を8%から10%へ引き上げる方針を決定しました。より厳密に言うと、消費税率が6.3%から7.8%へ、地方消費税率が1.7%から2.2%へそれぞれ引き上げられます。また酒類・外食を除く飲食料品の譲渡や週2回以上定期購読契約に基づいて発行される新聞には「軽減税率」が適用され、従来通りの8%(ただし消費税率6.24%、地方消費税率1.76%)に据え置かれます。
消費税は財・サービスの消費に着目して課される税であり、「付加価値税」と呼ばれるタイプです。アメリカでは「小売売上税」という類似の税金が存在します。既に欧米の多くのでは1960年代から70年代頃までにこうした税が新設されていたのですが、日本では雇うや国民の抵抗もあって1989年になって消費税法が施行されました。
消費税は、社会保障の安定財源確保のために使われるとされています。少子高齢化に伴って社会保障費は右肩上がりとなっており、消費税も過去2度にわたって引き上げられてきました。1997年の橋本内閣のもとで5%に引き上げられ、その後第2次安倍内閣となった2014年には8%となりました。
8%へ引き上げられた2014年の段階で、早くも2015年から10%へ引き上げる予定でした。しかし経済状況に鑑みて、2度にわたって延期されてきた経緯があります。2018年に入って、ようやく機が熟したとして10%引き上げが正式決定されたのです。
社会保障費は、今後も増え続けると予想されています。厚生労働省の将来見通しによると、2040年には2018年の1.5倍に膨れ上がるということです。こうした社会保障の財源確保を名目に、2019年以降のさらなる消費税引き上げが行われる可能性も否定できません。
消費税増税で家計は平均で年間5~6万円程度の負担増
消費税が8%から10%へ引き上げられることで、家計の負担はどの程度増えるのでしょうか。もちろん家庭の消費支出の金額によって大きく異なりますが、統計データを見るとその平均額がある程度分かります。
総務省統計局が毎月実施する「家計調査」によると、1ヵ月あたりの平均消費支出は約32万円となっています。これに丸ごと消費税がかかるとすると、8%から10%へ引き上げられることで6,000円あまりの負担増となります。年間換算すると、7万5,000円ほどです。
ただし住宅の貸付けや学校教育など消費税が非課税となる支出もあり、また飲食料品や新聞には軽減税率が適用されることから、実際には上記の数字の7~8割程度と考えられます。したがって、平均的な家庭だと年間で5~6万円ほどの負担増であると推測できます。
支出の多い家庭では平均の1.5倍以上の消費支出であるため、場合によっては消費税負担の増加分が10万円を超えることも考えられます。
消費税増税対策として節税と副業がおすすめ
消費税増税に、個人として対策を取ることはできるのでしょうか。ここでは、節税と副業をおすすめします。
節税と言っても、消費税の節税を考えることはおすすめできません。そもそも消費税の税率を個人の努力で下げることはできませんし、消費税の支払いを減らすために節約するというのも筋が通っていません。節約できたとしても数千円レベルであり、あまり家計に対してインパクトはないでしょう。
それであれば、所得控除や経費などを活用して数字上の所得を下げて、所得税および住民税の節税を狙う方がよいでしょう。特に所得税は累進課税で所得が大きいほど税率も高くなるので、その節税効果は大きいのです。会社員でも手軽にできる節税方法としては、iDeCo(個人型確定拠出年金)やふるさと納税などが考えられます。
消費税の負担が増える以上に収入を増やすべく、副業に励むのもおすすめです。本業以外にアルバイト・パートをする方法だけでなく、趣味や特技を教える・見せるなどの方法で収入を得ることもできます。ライティングやブログのように、パソコンやスマホだけで完結する副業もふえています。
消費税増税は確かに打撃ですが、これをむしろチャンスに転化すべく自分でお金について勉強し、手取りを増やす行動を始めてみてはいかがでしょうか。(提供:Incomepress )
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