日本企業は従来ROEを意識してこなかったのですが、上記の認識が広まってきた今、より自社を投資家にとって魅力的な存在にしようと、経営判断を行ううえでのベンチマークとして重要視し始めました。実際、今年からできた株式指数「」はROEの高い企業400社で構成されています。

逆に、潤沢な資産があっても利益があがっていない、ROEが低い企業などは、上手く経営を行っていないとみなされ、投資家から経営状況についての指摘を求められたり、経営陣を一新する企業買収が行われたりするなど、経営者にとって好ましくない状況が待ち構えています。

初めて投資をするなら、ROEはまず必ずチェック

政府は、貯蓄から投資へ日本の資金をシフトさせようと、投資家の対象者の幅を広めようとしています。NISA(少額投資非課税制度)が始まり、株や投資信託などの運用益や配当金が100万円まで非課税になると聞き、新しく投資を始めてみようと思っている方も多数いらっしゃると思います。そのときに、財務諸表の数字群や数々の指標のなかで、一体何を基準に投資判断すればいいのか迷うこともあるでしょう。そのときは、自分の投資した企業が資金を効率的に使って経営できるかという点で分かりやすい指標のROEは、まず第一にチェックしてみてください。