波乱相場のいま富裕層が注目している商品、運用方法とは?
(画像=isak55/Shutterstock.com)

2018年の年末にかけて株式市場が大きく下落した。10月上旬には2万4000円を超えていた日経平均は、12月25日に1000円を超える下落幅を記録し、2万円を割れて取引を終えた。このような波乱相場のなか、富裕層が密かに注目し、資金が流入している商品(運用方法)があるという。

富裕層から厚い支持を受ける「インカムゲイン狙いの投資戦略」

昨今、富裕層から厚い支持を受けているのが「インカムゲイン狙いの投資戦略」だ。その理由を確認していこう。

キャピタルゲイン狙いの投資では、該当資産が値上がりし、利益を確定させて初めて手元にキャッシュが戻ってくる。上昇相場では値上がり益に対するキャピタルゲイン課税を先延ばしにすることで投資効率を高めることができるため、投資資金はできる限り長くポジションを持っていたほうが有利だ。

しかし、ここ最近、10年に渡る上昇相場が終わりを迎えたのではないかという指摘をよく耳にするようになった。資産価格のピークアウトがいつ訪れるかを予想するのは困難だが、今からさらに高値を更新する可能性と、10年に渡る上昇相場が終わりを迎えた可能性を天秤にかけた場合、キャピタルゲイン狙いからインカムゲイン狙いに投資戦略をシフトするのは自然な流れかもしれない。

また、インカムゲイン商品で手元のキャッシュを積み上げたほうが複利運用や相場急変時の対応を行いやすい。含み益のあるうちに、キャピタルゲイン型資産をインカムゲイン型資産に組み替えて、マーケットの過熱感が冷めるのを待つ(マーケットが下落したら積み上がったインカムで買い向かう)のは、富裕層がよく採る運用戦略だ。

いま富裕層が投資しているインカムゲイン商品とは?

それでは富裕層は今、どのようなインカム商品に投資しているのだろうか。FX会社のトレイダーズ証券によると、特に8月以降、富裕層がトルコリラを購入する動きが顕著だという。もちろん8月にトルコショックが起こり、リラが対円で大きく下落したことが要因ではあるものの、士業や高所得者、資産額が大きい富裕層の買い付けが増えているそうだ。

同社のトルコリラ・日本円のロングポジション(1万通貨)のスワップポイントは業界最高水準の120円(例外あり)。1年間この水準が続いたとすると120円×365日=4万3800円となる。1トルコリラ=約21円なので、1万リラにあたる21万円を投資元本とすると、年間利回りは20%を超える計算だ。(スワップポイントおよびレートは共に2018年12月27日時点)

単純に計算すると5年で投資元本を回収できることになる。実際には今後もトルコリラが対円で下落する可能性は否めないが、ここから大幅な通貨下落は考えづらいという判断であれば、合理的な投資と言える。

証拠金の積み増しでレバレッジをコントロール

「FXはレバレッジがかかって、急な相場変動でロスカットされてしまう可能性があるので怖い…」という印象を持つ人もいるかもしれない。確かにトレイダーズ証券ではレバレッジが25倍に固定されている。しかし、必ずしもレバレッジ25倍で運用しなくてはいけないわけではなく、証拠金を積み増すことによって、実質的なレバレッジを下げることが可能だ。

例えば前述のトルコリラ(1万リラあたり21万円と想定)の場合、目一杯までレバレッジをかけると、9000円以下の証拠金で1万リラのポジジョンを張れることになるが、少しの為替変動でロスカットされるリスクは高まる。反対に証拠金を21万円入れれば実質的なレバレッジは1倍となり、相当大きな変動がない限り、ロスカットされることはないだろう。

高利回りが期待できること、既に大きく通貨が下落している局面であること、自分でレバレッジをコントロールできることなどが富裕層からの資金流入が増えている要因かもしれない。富裕層がいま注目している「FXでのトルコリラ投資」をあなたも試してみてはいかだろうか。