世の中には「お金持ち」になるための情報があふれているが、実際にお金持ちとはどういった人を指すのか、あるいはお金持ちになるためにどうしたよいのか、具体的かつ客観的に記したものは少ない。
「お金持ちになる絶対的な法則は存在しない」としつつも、「お金持ちになりやすい行動パターンやお金が逃げていくパターンを知ることで成功する確率を上げることはできる」と語るのが経済評論家の加谷珪一氏だ。ベストセラー『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス (2014/1/29))の著書であり、億単位の資産を運用する個人投資家でもある加谷氏に「資産1億円の教科書」と題して話を聞いた。(聞き手:押田裕太)
第4回では、お金持ちになるために必要な行動について深掘りしていく。
加谷 珪一(かや けいいち)氏
経済評論家。東北大学卒業後、投資ファンド運用会社などで企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任。マネーや経済に関するコラムなどを執筆する一方で、億単位の資産を運用する個人投資家の顔も持つ。
著書にベストセラー『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス (2014/1/29))(日本経済新聞出版社)、『お金持ちになる習慣「生きたお金の使い方」が身につく本』(清流出版 (2015/7/18))など多数
一点集中はある程度必要である
――著書『お金持ちの教科書』では、資産を増やしたければ「一点集中」だと書かれていました。分散投資が推奨される風潮もありますが、どのようなお考えなのでしょうか?
投資で大きなリターンを狙うのであれば、成長性のある分野や銘柄に、ある程度の資産を集中させることが必要になります。インデックス投資が流行していますが、インデックス以上のパフォーマンスは出ません。悪いとはいいませんが、資産を増やしたいのであれば、分散投資では限界があるということです。
投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言がありますが、ある程度一つのカゴに盛らないと資産を大きく増やすことはできません。だからといって仮想通貨に資産全額を投じてしまうのは極端すぎます。自分がどの程度までリスクを取ることができるのか、どのリスク資産にどれだけ資産を集中できるのかを把握しているかどうかで、資産の増加スピードはほぼ決まります。
――銘柄や商品選びにおいて、アドバイスはありますか?