関わり方を変えるだけで、部下は自然と動き出す!
私の経験から言うと、指示だけで動ける部下はそれほど多くはありません。そもそも、「指示だけ」でできるシンプルな「作業」だけであれば、上司も部下も苦労しません。でも実際は、そんな仕事は少ないのです。
ですから、上司のほうが部下との関わり方を見直し、部下を「指示待ち」状態から救う必要があるのです。
部下との関わり方。これを変えるだけで、部下は自ら考え動くようになります。
部下との関わり方を変えるといっても、部下1人1人について「できる・できない」を判別し、各人に合わせて知識や訓練を施す必要があると考えると、うんざりされる方がほとんどだと思います。上司は、部下育成だけをしていればいいわけではなく、自分自身の業務もあるわけです。これでは、いくら時間があっても足りないと考えるのも当然でしょう。
しかし、多くの部下は、「教えるのは上司や先輩の役割」「上司は部下指導をするためにいる」「仕事ができるようにならないのは教えてもらえないから」「指導を放棄している上司が悪い」と考えています。
ご安心ください。じつは、部下を自ら考え動く人材に育てるのは、それほど大変なことではないのです。順を追って練習すれば、誰でも自転車に乗れてしまうように、部下育成もポイントを押さえれば、誰にでもできます。
そうすることで、部下は驚くほど変わり、自ら動き出します。部下指導の一連の流れを定型化し、順番通りにステップを踏むだけで部下のスキル不足を解消する仕組みが、これから解説する「成長の5ステップ」です。
部下のスキル不足を解消する「成長の5ステップ」とは?
「成長の5ステップ」とは、仕事を「作業」と「スキル」に分類し、さらに部下1人1人について「できていること・できていないこと」を判別。そして、各人に必要な訓練をしたうえで、人に教えることができるくらい習熟させていく仕組みのことです。
ただ、これらを機械的に行えばいいというわけではありません。部下育成には順序があります。その順序を間違えると、部下は伸び悩むことになるのです。
では、5つのステップを見てみましょう。
成長の5ステップ
ステップ1 できていることを完璧にできるようにする
ステップ2 できていない「作業」をできるようにする
ステップ3 できていない「スキル」をできるように訓練する
ステップ4 「作業」を教えられるようにする
ステップ5 「スキル」を教えられるようにする