楽天が本社を移転する理由とは

楽天は、何度も移転をしていますが、上場してからは六本木ヒルズに本社を構えていました。ただ、楽天の成長とともに、社員数も増え続けた為、六本木ヒルズのオフィスでは対応しきれなくなった事、買収した企業があちこちの拠点にバラバラになっていたので、集約して一つの拠点に集めて効率性を高めよう事で2007年、品川シーサイドにしたようです。

品川シーサイドは、交通の便がよい(羽田空港から近い)ため、海外への行き来もしやすく、これからのグローバル化もみすえた移動という事で品川にしたようなのですが、買収等で従業員が1万人を超え、さらに拠点がバラバラになってしまった為、一か所に集約するために、今回、二子玉川に移転をするという事が理由とされています。

楽天の場合、買収して大きくなってきた会社の為、別会社と別会社がある日一緒になるという事で、なかなかうまく連携がとりにくい事も考えられます。楽天というブランドを社員の間にも浸透させるためにも移転は必要だったようです。

また、東日本大震災の際に、事業計画などの見直しを行ったようで、在宅勤務などができる体制も整えたようですが、やはり勤務地を集約する方が、他グループ会社とのシナジーが取りやすい事や万が一の災害時にも、設備が整っていると従業員が安心して勤務できるという事が理由なのではないかなと思います。

他会社で本社を移転したキリンの移転効果は?

楽天よりも一足早く、本社に集約した会社があります。キリンホールディングスは、東京中央区、渋谷区と分散していた17のグループ企業を2013年5月中野区にある中野セントラルパークサウスに統合・移転しています。

執務室では、グループ間の連携を保つため、企業別ではなく、機能別のレイアウトにして、シナジー効果を図るようにしたという事でグループ間同士の連携が強くなったという事や違うグループ会社同士の社員が集まりやすいように、多目的スペースなどを設置し、お酒などがのめるスペースを作った事、社員同士で集まって、社員自身で働き方を考えてもらえる場やシナジーを高めてキリンのブランドを浸透させたいと考えているようです。

また中野というオフィスより庶民の生活の場に近くなることで、キリンが販売している商品も消費者向けである為、消費者の目線で考えやすくなったという事、消費者からの刺激を受けやすい場所にした事が、仕事をする上でのメリットとしてあげられるとキリンの担当者はいっているようです。

今後も移転する会社はあるのか?

最近は、日本でも買収が多くなり、今後も買収や合併、吸収などが行われてくると思います。そういった中では、企業の規模が買収で大きくなってくるにつれて会社への依存度やブランド意識などが薄れてきます。

情報漏えいなど顧客相手の仕事には、信頼が一番大事です。それを一番しっている経営者は、やはり社員のシナジー効果やブランド意識をもっとも気にしており、今後もグループ企業を一つにまとめていく力が必要になる為、統合するような企業はでてくる可能性はあると思います。