◉上昇を支える主要プレイヤー③ 地銀・信金


地銀・信金はリーマンショック前もREITに参入しており、残念ながら当時痛手を負いました。そして現在、金融緩和の圧力と運用難から、再び不動産市場に参入しています。

また、現在はREITだけでなく、不動産関連の融資にも積極的と言われています。
不動産投資向け等のローン金利も下落傾向にあるらしく、関心の強い方は調べられても良いかもしれません。既に借りているローンの借り換えなどを考えられる方も多いようです。


◉上昇を支える主要プレイヤー④ アジアの富裕層


アジア富裕層の間で東京都心の高級マンションを購入する動きが広がってきています。日本の金融緩和に伴う円安の進行で、従来以上に価格に割安感が出ているためです。

かつて東京都心のマンション価格は「アジアで最高」呼ばれるほど高額でした。しかし平成バブルの崩壊で急落し、その後は低位安定が続きます。一方、海外の主要市場では2000年代半ばにかけて住宅ブームが起きました。香港やシンガポールの不動産価格はその間に1.5~2倍になり、都心部の同程度の広さの物件の価格は東京を上回るようになります。
中華系を中心とするアジアの富裕層は、株や債券などより不動産など現物資産を好む傾向があります。そのため、かねてから割安な東京で投資機会を探っていました。そしてこの度、円安がその背中を押した形になります。

5000万円から7000万円クラスの物件が、アジアの富裕層には特に人気のようです。一件の投資額はそこまで巨額ではないかもしれませんが、積み重なって市場での存在感を増してきています。

参考: シンガポールの不動産事情


◉上昇を支える主要プレイヤー⑤ 年金基金やSWF


1000億円級の運用資産をもつ政府系の年金基金や、SWF(政府系ファンド)も不動産市場で存在感を増してきています。
SWFはSovereign Wealth Fund(ソブリンウェルスファンド)の略であり、主に資源国等の外貨を豊富に持つ国が、外貨準備高の一部を運用に当てています。資産規模が大きいため、その動向に注目が集まっています。

また年金基金等も、重要なプレイヤーと成り得ます。特に先進国の年金基金は、2012年以降、不動産投資を急拡大させているのです。
例えば、160億ドル近い資産規模を誇るカナダの年金制度投資委員会では、不動産投資比率を2007年の4.9%から2012年には10.9%にまで拡大しています。米カリフォルニア州職員退職年金基金(資産規模220億ドル以上)は不動産投資比率を2009年の3.5%から2012年には3倍の10.5%にまで拡大しています。

これら先進国の年金基金は、自国以外も投資の対象と捉えており、今後は日本も投資対象として検討に入る可能性が十分にあります。

参考: 世界の株式市場で存在感を増すSWF(政府系ファンド)〜彼らは国ごとにどんな違いを抱いているのか?〜

以上、現在の不動産市場の上昇に関わる主なプレイヤー達についてのまとめをお届けしました。

1年近く前から今回の相場上昇を予測していた外資系金融や外資系ファンドの存在は流石ですね。
ZUU-ONLINEも負けないくらい良い情報をお届けできるよう頑張ります。

BY TOMB

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