営業力とは「イメージ力」である

イメージトレーニング,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

営業力とは「イメージを描く力」でもある。断片的な情報の中からこの商談をどう進めていけば最も受注率が高くなるかという全体イメージ、あるいはキーパーソンになかなかたどり着けない原因である人事部のゲイトキーパーをどう突破するかという具体個別のイメージがどれだけリアルに描けるかが、その後の明暗を分ける。

更に、そこに「必ずうまくいく」という自己暗示が加わると業績が好転し始めるので、今回はその方法を紹介していく。

必ず「楽観的なシナリオ」と「悲観的なシナリオ」の2つをイメージする

「売れる営業」になるためのイメージトレーニング法と自己暗示を、3つの方法に分けて解説したい。

まずは、目の前にある商談や新規開拓の各プロセスの推進にあたって、楽観的なシナリオと悲観的なシナリオの2つをざっくりとイメージしておきたい。

これら2つのシナリオを描いておけば、現実は必ずその間を推移するので、すべてが想定内のことになり、効果的な「次の一手」が打ちやすくなる。

このイメージの描き方だが、情景を頭に浮かべながら小説を読んだり、感動した映画やドラマを後日頭の中で再び想起したりするように登場人物、行動、言葉をできるだけリアルにイメージして欲しい。

楽観的なシナリオ通りになれば理想的だし、それは、先を読む力に優れている証拠なので、素直に喜び、自信を持つべきだ。

「そうなったらこうする」「ああなったらこうする」というイメージをしておく

しかし、営業力向上のための多くのヒントは悲観的なシナリオの方にある。

これは2つ目の方法になるのだが、悲観的なシナリオはただイメージするだけでなく、その自社や自分にとってよろしくない状況になりつつある時を想定し、「そうなったらこうする」「ああなったらこうする」というシーン別、具体個別の対応策、「次なる一手」を断片的で構わないのでイメージしておくのだ。

そのイメージがリアルであればあるほど、現実にそうなった時にまるで反射神経のように対応策が矢継ぎ早に展開できるので、事態を自社や自身に都合のいい方向に好転させることができるようになる。

実際、自分達にとってマイナスな状況というのは、起こってからでは遅いということが少なくないので、「後始末」ではなく「前始末」、つまりは準備をしておきたい。