商談前に必ず「イメージ」の時間を
もちろん、悲観的なシナリオや自分達にとってマイナスの状況でなくても、客先に向かう電車の中で、その日の商談の流れをイメージし、どういう雑談から始めて、相手が乗ってきたら何の話に展開するとか、逆に乗ってこなかったら何の事例を話すかといったことなど、いくつかのパターンを繰り返しておきたい。
相手が話す課題を想定しておいたり、どういう課題ならどのような事例を紹介しようかとイメージしたり、ありがちな数パターンは繰り返しておきたい。
念のため、クルマで営業している人は、運転中は運転に集中してもらうとして、駐車した後の2~3分間、このイメージトレーニングをしてから客先に向かうとか、客先に向かって歩きながらイメージするようにして欲しい。
結局のところ、イメージできたことは実際に行動に移せるために、普段からこうしたイメージトレーニングの習慣のある人は短期間で売れる営業パーソンに成長していく。その習慣が弱い人は、ぜひともイメージトレーニングに取り組んで欲しい。
たとえ根拠のない自信でも「必ずうまくいく」と自己暗示をかける
そして、最後は「必ずうまくいく」という自己暗示だ。
「必ずうまくいく」と信じられる根拠だが、これは自社の製品やサービスの競争優位性に求めてもいいし、技術陣、制作スタッフのスキルや実績でも構わない。
あるいは競合の誰よりその顧客のことを知っているとか、しっかりと準備を重ねたからといったことでもいい。
要はその根拠は何でもいいし、もっと言えば、これといった理由のない「根拠のない自信」だって構わない。
そう、それが「妄想」であっても、成果が上がれば、営業パーソンとしての成長につながるなら、それが正しい「やり方」なのだ。
初心者ゴルファーでも、ベテランゴルファーでもやってしまう「池ポチャ」は、実は池を目にした途端、無意識に池を狙ってしまうからだそうだ。
それと同じで、たとえ、それが最初は根拠のない自信であったとしても、無意識に自身をよい方向に進めてくれ、それでいい方向に進むなら、やらない手はないではないか。
新人の頃、自分も多くの諸先輩からそう指導されたし、自分の周りを見ても営業で頭角を現した人達の共通点でもあるので、自己暗示は絶対に薦めたい方法だ。
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(出典:「営業サプリ」https://www.eigyousapuri.jp/)
大塚 寿(おおつか・ひさし)エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。(『THE21オンライン』2019年01月19日 公開)
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