法定相続人が相続を放棄すると、民法上、その者は初めから相続人とならなかったものとしてみなされます。
それでは、相続税の計算上の基礎控除額・相続税額計算方法はどのようになるでしょうか。
結論としては、相続放棄をしても、他の相続人らが納付すべき相続税の総額は原則として変化しません。
これは、相続税の計算上使用する相続人は、税法上の相続人(法定相続人)「相続の放棄がなかったものとした場合の相続人」、つまり相続を放棄した者を含めた相続人だからです。
①【生命保険金等・退職手当金等の非課税額】
『500万円×法定相続人の数』
②【相続税の基礎控除額】
『5000万円+1000万円×法定相続人の数』
③【相続税額の計算】
「相続税の課税価格(相続財産総額-債務・葬式費用等)」から「相続税の基礎控除額」を控除した残額を各法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして計算した相続税額の合計額
①~③の計算において、相続の放棄があった場合も、相続の放棄がなかった場合と結果は変わりません。
ただし、申告期限が未分割であった場合の各相続人が取得したものして申告する際には、その未分割財産は民法の相続分で取得したものとして計算しますので、ご注意ください。
(提供:チェスターNEWS)