2019年4月4日(木)Market Talkの内容

●今後の見通し

①自然な景気循環の動きで見れば、4‐6月でボトムを付け年後半で戻ってくる。
②中国景気の回復基調が鮮明になってきていること。
③世界の中銀が緩和に動いている。

この3つの要因から今年の後半は景気が戻ってくるだろう。今後世界景気の回復が鮮明になり、景気敏感株がリードするような形になる - 昨年売られたものが巻き返す展開となるのではないか。注目は明日の景気動向指数でずっと大幅悪化が続いていたが、輸出、鉱工業生産の2月の数字が下げ止まっているので、ここで景気動向指数の下げ止まりを確認すれば株も一段としっかりしてくるだろう。

●銀行のPBRが過去最低の0.4倍というのが問題となっていますが、地銀の再編を睨んでの仕込みは「アリ」ですか、それとも金融関係は見送りがベストでしょうか?

地銀は業界再編で一時的に買われるケースもあるし、PBRがこれだけ低いと底値なのでは、という考えもあるが、そもそも地銀は収益の基盤がない。稼いでいけるような貸し出しの需要がそもそもあるかどうか。またこの金利環境の利ザヤの薄さでは何をやっても儲からないのではないか。あえて言うなら個別で、地域に根差して地域の需要を取り込んで着実に収益やビジネスにつなげていっているという銀行があれば、存在意義が強くいずれ市場も評価するだろうが、そういうケースは少ないだろう。あえて安いという理由で買わなくても、バリュエーションが高くても良い株はたくさんある。

●日経平均は22,000円が抜けず、ボックス相場を形成していますが、この流れはいつまで続くのでしょうか、それとも4月中に22,000円を抜いてくるのでしょうか?

4月後半の決算発表のときに抜いてくるのではないか。

理論的には金利が下がるとバリュエーションが上がる。この金利低下の環境下はPER15倍に戻っていく一つのいい材料になるんじゃないかと思う。

●この先の下値はどれくらいを見込んでおけばよいのでしょうか

21,000円割れはないのではないかと思うが、もしあったら買い場と考えてよいのではないか。もちろん○○ショックというようなことが起これば突き抜けるが、それでも19,000円で見ておくと、現在日経平均のPBR1倍の水準が18,800円ぐらい ‐ すなわち日経平均の1株当たりの純資産が19,000円弱なので、ショックが起きてもこの辺りがボトムではないか。

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広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

【関連リンク マネックス証券より】
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