3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも残すところ後3カ月ということもあって通期の業績予想を上方修正する企業も少なからずみられました。

投資のヒント
(画像=PIXTA)

こうしたなか昨日は営業利益の今期三度目の上方修正を行った銘柄を取り上げましたが、今回はこの第3四半期に今期二度目の上方修正に踏み切った3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えばアドバンテスト(6857)では第2四半期に続いてこの第3四半期でも上方修正を行った結果、今期の営業利益は前期の2.6倍の水準となる見込みです。また、ニコン(7731)では第1四半期に続いてこの第3四半期でも上方修正を行ったことで4割を超す増益予想となっています。

第3四半期に今期二度目の上方修正を行った主な3月決算銘柄
(画像=マネックス証券)

決算メモ

●ニトリホールディングス(9843)‐32期連続の増収増益を達成‐

ニトリホールディングスが8日に発表した2019年2月期の決算は売上高が前期比6.3%増の6081億円、営業利益が同7.9%増の1007億円となり32期連続の増収増益となりました。売上高は既存店が2.7%増と堅調に推移したことや店舗数が53店舗増えたことなどで初めて6000億円を超える規模となりました。また、営業利益は円安の影響などで粗利益率が悪化したものの販管費比率の低下もあり初の1000億円超えとなっています。

今期も増収増益の計画で、売上高は既存店売上高2.3%増、店舗数51店舗増を前提に前期比5.7%増の6430億円、営業利益は1ドル110円(前期実績110円20銭)を前提に同3.2%増の1040億円となっています。絶妙なタイミングでの為替予約でこれまで円安による業績へのマイナス影響を何度か回避してきたニトリですが、今期はまだ為替予約を実施しておらず、タイミングをみて行うとしています。

堅調な国内事業に対して2015年に進出し次の成長の柱として期待される中国事業は苦戦を強いられています。昨年12月にグローバル事業強化プロジェクトを立ち上げ中国事業の問題点を抽出し改善策を模索中です。そのため前期末で37店舗を展開する店舗の純増数を今期は1店舗に抑え、2022年に200店舗としていた目標も見直し、来期以降に向けて事業を立て直す期間にするとしています。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

【関連リンク マネックス証券より】
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