ドバイと言えば、巨額の石油マネーで砂漠を新規開発し、短期間で中東地域のハブとなった大型富都市だ。そんなドバイの不動産を買いまくっている知人のX氏がいる。興味深い話をしてくれたのでここで取り上げたい。

市場は短期思考だからこそ長期投資で勝ちに行く

富裕層,ドバイ
(画像=shutterlk/Shutterstock.com)

X氏は現在、世界中に投資した不動産から安定的に月2,000万円以上の賃料収入を得ているという。以前は東京やアメリカ、イギリスといった先進国の不動産や金融資産に投資をしていたのだが、それらを全て売却して、今はせっせとドバイの物件を買い漁っているという。

彼はその理由について解説してくれた。多くの投資家は金融投資、不動産投資に限らず、短期思考であるという。事実、市場はかなり短期思考に寄っていると言って差し支えないだろう。一度価格が下落傾向になれば、売りが売りを呼んで市況は右肩下がりになっていく。特に株式市場では、一定以上の売りが入ると、自動売買による損切りが発動し、場合によってはヘッジファンドによる空売り注文が続くため、下がるときは一気に暴落することが多い。

だがX氏は、そんな短期思考のプレーヤーたちに対して冷ややかな目線を送る。「短期思考だから勝てないのだ」という。

国の経済成長とともに成長する不動産

金融資産への投資と同様に不動産投資は国の経済成長とともに利益を膨らませていく。買い付け時と売却時の価格差で利益をあげる「キャピタルゲイン」を狙う投資家が多いが、不動産投資の特徴としては家賃収入という「インカムゲイン」も利益としてあげられる。

日本における不動産投資では、キャピタルゲインを得ることは難しいとされる。日本の物件は築年数が価格を押し下げる要因となり、地震や災害などで建物にダメージが蓄積されていくからとされている。

だが、海外の場合は築年数による価格下落の度合いが日本に比べて小さいケースが少なくなく、経済成長と人口増加が続く場合は逆に物件価格を押し上げることもある。また日本では、賃料が経済成長と連動して上昇していくケースはあまりないが、大きく成長する最中にあるエリアにおいては一般的だ。

X氏の買ったドバイの物件も、ドバイの経済成長とともに過去5年間で賃料は150%超の伸びを見せている。これは日本国内やアメリカ、ヨーロッパといった先進国の物件ではあまり見られない大きなインカムゲインの伸び率である。また、X氏が買っている物件は高級コンドミニアムばかりであり、耐用年数は30年、40年以上になると見込まれている。

ドバイは2020年から盛り上がっていく

未来を予測することは難しい。だが、X氏にはこれからドバイが本格的に右肩上がりの経済成長を始めるビジョンが見えているという。2020年の秋に予定しているドバイエキスポを見定めて、ドバイは「砂漠の国」から「世界に類を見ない近未来都市」へと発展していくそうだ。

元々は小さな漁港に過ぎなかった中国、深センは今や「アジアのシリコンバレー」として発展し、2006年から2016年までの10年間でGDPは大きく伸び、2018年の深センのGDPは香港を抜き去ってしまったという。わずかな期間の間に、漁港の小さな町が優秀な人材を集め、ファーウェイやテンセントといった世界時価総額ランキングにその名を連ねるようなIT企業を誘致するまでになった。

X氏いわく「不動産投資は、この先今の風景が一変してしまうようなエリアにこそ投じるべき」という。経済成長のあるところに人が集まるのが経済の原理原則だ。優秀で高額な所得者が集まるエリアの物件は、地価の高まりでキャピタルゲインと、賃料の高騰によるインカムゲインのダブルリターンが見込まれるという。

そうした物件を早めに買っておくことができれば、その物件は生涯に渡って大きな自己成長を続け、富をもたらせしてくれる「成長する金の鶏」になる。そのように述べるX氏の顔は、自信に満ち溢れていた。(黒坂岳央、高級フルーツギフトショップ「水菓子肥後庵」代表)

【関連記事】
日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
日本の富裕層が「先進国で最も税金を払ってない」のは本当か
世界の大富豪ランキング1位はジェフ・ベゾス。追いかけるイーロン・マスク
世界の富裕層が設立する「財団法人」。そのメリットと設立要件を解説
富裕層が実践する、不動産「高値」売却のための戦略・戦術・具体例とは