農業は日本の今日の食を担う重要な産業ですが、農業人口は高齢化の一途をたどり、多分にもれず後継者不足・人手不足が否めません。未来の農業を担う後継者がいないならどの様に事業承継するのがよいのでしょうか。

農業の事業承継とは

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(写真=PIXTA)

農業にかかわらず、後継者不足により事業承継の課題を持つ企業は多くあります。2025年には団塊の世代が75歳を迎える今、事業をどうするか決める時期がやってきました。現在家族農業を行っても、今後は農業の法人化が増えていくと考えられます。通常、後継者の育成からサポートを考えると事業承継・継承には10年はかかると言われています。その間、後継者がどれだけ真剣に向き合ってくれるのかが、永続的な経営の鍵になります。

事業承継では、法人の経営権や代表権、保有資産を後継者に譲ることになります。土地だけではなく設備や機械、自社株といった目に見えるものと、これまで経営者が培ってきたノウハウ・知識・技術に加えて取引先や協力先、地域との関係性といった目に見えないものまで様々です。特に、農業は事業形態として地域や土地に根付いているので、その土地の人達と良好な関係を築くことは後継者にとっても重要なミッションです。そのため、現経営者はどのようにして事業を継承していくのか、具体的に考える必要があるといえそうです。

農業の事業承継は突然やってくることも!後継者選びは早めに着手を

先にお伝えしたとおり、日本は家族経営の農家が多くあります。しかし、親から子どもへ個人間の引き継ぎになると他の相続人との兼ね合いから、思うように継承が進まないという事情もあるでしょう。引き継ぎ時には個人から個人への家族経営ではなく、法人成りを検討するのも一案です。円滑に事業承継を行う術を見つけ、後継者選びを行い、農業継承計画を策定し、引き継ぎを行うのです。そのためには、余裕を持って後継者選びをすることが重要です。

いくら、後継者候補がいたとしても、厳しい指導に耐えられず後継者側から引き継ぎできないと言われるケースもありますし、70歳になる年で引退したいといっても、後継者候補が経営ノウハウや贈与税の納税資金がなければ引き継ぎたくないと言われる可能性もあります。他の後継者も見つからず、廃業せざるを得なくなるおそれもあります。後継者選びは慎重に進めるとともに、後継者候補への意識付けを行うことが重要です。

後継者が見つからない農家はどうすべきか

後継者がなかなか見つからない農家はどのようにすべきでしょうか。国も地方公共団体も若い就農者を増やすべく、受入支援体制を整えてPRしています。農林水産省では農業法人等が新規事業者である雇用者等に対して研修支援を行っています。研修には就農者育成・独立支援タイプ、新法人設立支援タイプ、次世代経営育成タイプの3つのタイプがあります。これによって農業技術や経営ノウハウの習得研修、新規農業法人の設立のために実施する農業技術・経営ノウハウの習得に向けた研修、次世代の経営者育成における先進的な農業法人や異業種法人のOJTの取り組み支援を行っていますが、状況に応じて助成金を受け取れるというものです。家族を始めとした後継者候補がいない場合は、こういった事業に参画するのも一案です。

さらに、農業法人を買いたい企業や個人に買収してもらう方法もあります。M&Aはグローバル企業や大企業、上場企業のみならず、中小企業でも活発に行われていますし、昨今は個人も手軽にM&Aが可能になりました。後継者として光るものがある企業・人が現れたら、引継先として前向きに検討してみましょう。

農業の事業承継 さまざまな可能性を探って

ここ数年、農業(Agriculture)と科学技術(Technology)の融合であるアグリテック(AguriTech)という造語が生まれ、農業分野における新しい風が吹いてきています。農業の後継者不足はこういった革新的な取り組みによって新時代の扉が開かれる可能性を秘めているといえます。後継者不足で悩む農家・農業法人経営者はこの機会にさまざまな可能性を探り、自分にとってどのような方法が最適なのかを考えてみてはいかがでしょうか。(提供:企業オーナーonline

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