なぜ、電話は最強のコミュニケーションツールなのか
現代社会は、「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれている。VUCAとは、「あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難な状態」を指す言葉で、近年ビジネスシーンでも話題になっているキーワードの1つだ。
今回は、そんな先の見えない時代に生き残るための仕事術をまとめた『本当は大切なのに誰も教えてくれない VUCA時代の仕事のキホン』を上梓した河野英太郎氏に、近年大きく形が変わった「コミュニケーションツール」について話を伺った。
「そのメール」が生産性を奪っている
仕事の連絡をするとき、あなたが最も多く使う連絡手段は何でしょうか?
おそらく、大部分の人は「メール」ではないかと思います。
しかし、仕事の生産性を上げたいなら、これからは、メールする前に、「対面」あるいは「電話」で、コミュニケーションが取れないか意識するようにしましょう。
この優先順位を決める基準は、「同じ時間内でやり取りできる情報量」です。
メールの場合は、文章を書く時間がかかる上に、ほとんどの場合、すぐに返信がかえってきません。コミュニケーションする、しないを相手の意思に委ねてしまっています。
それによって判断が遅れ、対応が後手に回ることは少なからずあります。
それに対し、「対面」「電話」の場合は、文章を書く時間も待ち時間もありませんから、余計な時間がかからずに済みます。
また、文章を使ったコミュニケーションは、言葉足らずになりやすいので、何度も往復することになりがちです。誤解や意図的な曲解、無視されるなどのリスクも高い。
一方、「対面」「電話」であれば、文章にするとうまく伝わらない微妙なニュアンスや、言葉以外のメッセージも伝わります。