新たな資産運用の方法として注目を浴びている「ソーシャルレンディング」。高い利回りやネットで手軽に始められることが魅力ですが、詐欺や虚偽の説明などのトラブルも少なくありません。ソーシャルレンディングの特徴や留意点を説明します。

ソーシャルレンディングとは?

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(画像=Cienpies Design/Shutterstock.com)

ソーシャルレンディングとは、まだ誕生してから歴史が浅い融資の仕組みで、仲介業者がインターネットを通じて多数の投資家からお金を集め、そのお金を人や企業に融資するというものです。

仕組みとしてはインターネットで資金を集める「クラウドファンディング」の一種とされ、「貸付型(融資型)クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。

海外では2005年頃、日本では2008年にサービスを提供する企業が登場し、市場が形成され始めました。市場規模は右肩上がりの状況が続いており、市場調査を手掛ける富士キメラ総研によれば、国内の市場規模は2022年には9,000億円、実に2016年比で13.8倍まで拡大すると予測されています。

日本で言うところの一般的なクラウドファンディングは「支援」的な側面が強く、投資家は成果物の購入などによって資金を提供する形をとりますが、ソーシャルレンディングでは投資家は借り手に利子や返済金を明確に求めるため、「投資」的な側面が強いことが特徴です。

ソーシャルレンディングの魅力とは?

資産運用の手法の一つとしてソーシャルレンディングの人気が高まっている理由の一つが、利回りの高さです。

一般的な金融機関は多くの支店を構え、人件費も高額になりますが、ソーシャルレンディングはインターネットをフル活用しているため、こうしたコストをできる限り低く抑えることができます。そのことによって、投資家により多く分配金を渡せるようにしています。

またインターネットで手軽に小口投資を始めることができることも、市場が年々拡大している理由となっています。

一般的にはソーシャルレンディングを始める場合、仲介業者のウェブサイトで必要事項の入力や必要書類のアップロードを終えた後、出資の申し込みと入金を済ませるだけで手続きがほぼ完了します。

ソーシャルレンディングの留意点とは?

ソーシャルレンディングの主な留意点は3点あります。

1点目は、「誰に貸したか」が完全には分からないことです。ソーシャルレンディングの仲介業者は貸金業法の制約上、借り手を保護するために投資家側に借り手の情報を完全には開示しません。

2点目は、少なからず貸し倒れや返済遅延のリスクが存在することです。貸し倒れや返済遅延が起きた場合、投資家側は損失を受け止める必要があります。過去には実際に貸し倒れが起きた例もあります。

ソーシャルレンディングにおける仲介業者の資金の貸付先企業は、銀行から低金利で借り入れることが難しい企業であることが多い、という特徴があるということも覚えておきましょう。

3点目は、詐欺まがいの業者も存在するということです。ソーシャルレンディング業者は「第二種金融商品取引業」の登録を受ける必要がありますが、登録を受けていない事業者の募集などもインターネット上に紛れているのが現状です。金融庁はこうした業者に注意するようウェブサイトなどを通じて呼び掛けています。

また登録業者であっても、不適切な運用などによって金融庁がソーシャルレンディング大手に業務改善命令を出したこともあります。こうしたこともあり、金融庁は現在も事業者に対する監視を強めています。

リスクには十分注意を

ソーシャルレンディングは高い利回りや手軽に始めることができることが魅力ですが、一方で詐欺まがいの業者や貸し倒れのリスクには十分に注意する必要があります。最終的にソーシャルレンディングを始めるかどうかを決める際には、入念に仲介業者の情報を調べるようにしましょう。(提供:JPRIME

文・J PRIME編集部


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