消費税率の10%への引き上げがいよいよ今年10月に迫っています。国は景気悪化を防ぐ対策の一つとしてキャッシュレス決済を対象としたポイント還元制度を実施しますが、対象となる店舗や還元率にはルールがあります。

ポイント還元制度の概要は?

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(画像=ivan_kislitsin/Shutterstock.com)

2019年10月1日の消費税率引き上げに合わせて実施されるポイント還元制度は、正式には「キャッシュレス・消費者還元事業」と呼ばれます。

この事業の仕組みは、2019年10月から2010年6月までの9ヵ月間、消費者が「中小・小規模事業者」の小売店や飲食店などの支払いで「キャッシュレス決済」を選択した場合、消費税込みの決済金額の最大5%が消費者に還元されるというものです。還元の原資には税金が使われます。

具体的には、消費者が店舗でキャッシュレス決済をすると、まずキャッシュレス決済事業者からポイントなどが発行されます。キャッシュレス決済事業者はその後、国に発行ポイント分を補助金として請求し、後日、支給額を受け取るというスキームになります。

この事業は基本的には消費税の増税によって景気が落ち込まないようにするために実施するものですが、キャッシュレス化の推進という狙いもあり、成果目標として「2025年までに民間最終消費支出に占めるキャッシュレス決済比率40%を実現」と掲げられています。

対象となる決済手段や店舗は?

対象となるキャッシュレス決済手段については「クレジットカード」や「電子マネー」「QRコード決済」などとされており、「口座振り込み」「収納代行サービス」「使い切りのプリペイドカード」などは対象外です。

対象となる店舗については、「中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店等」とされており、「社会通念上不適切と考えられる者」「換金性の高い取引」などの4項目に該当する場合は対象外となります。

還元率は原則的には5%ですが、大手フランチャイズチェーン傘下の店舗などでキャッシュレス決済が行われた場合は、還元率は2%に抑えられます。例えば経営主が中小企業だとしても、大手チェーンのコンビニでは還元率は2%となります。

ポイント還元制度で覚えておきたい4つのこと

ポイント還元制度を上手に活用するためにほかにも覚えておきたいことを、経済産業省がこれまでに公表した資料を読み解きながら、ピックアップして説明します。

ポイントでの支払いには適用される?

ポイントで商品やサービスを購入した場合も、ポイント還元制度の対象となるとされています。

予約購入の場合には適用される?

決済日が2019年10月から2020年6月までの事業期間内ならば、その場で商品を受け取らない「予約購入」だとしても、ポイント還元制度の対象となるとされています。

光熱費の支払いでも適用される?

中小のガス事業者や電気事業者に対する支払いでクレジットカード払いなどのキャッシュレス決済を選択した場合は、ポイント還元制度の対象となるとされています。

ポイント還元の上限はある?

全事業者に適用させる一律の上限は設定されませんが、消費者による過度な利用などを防止する目的で、各事業者に個別に上限を設定することを求めるとされています。

ほかにもある増税対策

消費税率の引き上げに合わせて政府が実施する対策としては、ポイント還元制度のほか、飲食料品などの税率が事実上据え置かれる形となる「軽減税率」の適用や、低所得者や小さな子供がいる家庭への「プレミアム付き商品券」の発行などがあります。

そのほかにも複数の増税対策が実施される予定ですが、少なくとも今回の記事で説明したポイント還元の事業とこれらの制度をよく理解しておけば、日々の生活の中で増税対策の恩恵をより大きく受けることができることにつながるでしょう。(提供:JPRIME

文・J PRIME編集部


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