再開発によって進化を続ける渋谷の街は、その姿を見ていると、ビジネスへのチャレンジ精神を思い起こさせてくれます。再開発では、大型オフィスが建設され、これまで以上に多くの企業・起業家が集まると予想されます。変わりゆく渋谷の街と、そこでチャレンジする人々の姿を見ていきましょう。

大規模な渋谷の再開発

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(画像=PIXTA)

2012年に開業された渋谷ヒカリエを筆頭に、次々とビルが建ち、渋谷の街はその様相を大きく変えました。立ち退きによって古い建物が姿を消し、道路は整備されています。

渋谷の再開発では、観光拠点と同時に、オフィスも多く作られています。渋谷ストリーム、渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラスと次々に建築されているビルは、商業施設とオフィスが階層を隔てて入居します。

渋谷に大型オフィスができたことによって、一度は渋谷を離れたグーグル日本法人が渋谷に戻ることとなりました。一時は陰りを見せた「渋谷ビットバレー」が復活すると話題を呼んでいます。

ビットバレーと呼ばれた渋谷が一度は衰退したワケ

渋谷にネットビジネスを行う企業が集まり始めたのは、1994年ごろのことでした。起業家やプログラマーたちも渋谷で拠点を構えるようになり、ITバブルの影響もあって、1999年ごろ、「渋谷をシリコンバレーに」を合言葉として渋谷ビットバレーと呼ぶようになります。

渋谷ビットバレーが各種メディアや金融業界、ベンチャーキャピタルなどから注目を集めるようになり、渋谷の街でのビジネスはさらに賑わいを増していきました。ところがその後まもなく訪れたIT不況によって、ITバブルは崩壊してしまいます。

さらに、渋谷のオフィスに特徴的だった問題が、渋谷シリコンバレーを窮地に追い込みます。それは「渋谷には大型のオフィスがほとんどない」という、致命的な欠点でした。最初は少人数の態勢で会社を回すスタートアップ企業やベンチャー企業も、事業が拡大するにつれて、スタッフを増員していきます。そうなった時、渋谷の小さなオフィスでは多人数での事業展開が難しいと、多くの企業が渋谷を飛び出してしまいました。

姿を変えたスタート地点、ビットバレーの再興にかける思い

100年に一度といわれる大規模な渋谷の再開発の中、渋谷ビットバレーの再興に向けて、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社サイバーエージェント、株式会社ミクシィ、GMOインターネット株式会社の4社が立ち上がりました。

渋谷ヒカリエにはディー・エヌ・エーが本社を構え、2019年秋に竣工予定の渋谷スクランブルスクエアにはミクシィとサイバーエージェントが、そして、GMOインターネットは開発中の道玄坂一丁目駅前地区に新オフィスを構える予定です。2019年以降、渋谷駅前は大手のIT企業が集ることになります。

また、上記の4社が渋谷をIT分野における世界的技術拠点にするとして、「SHIBUYA BIT VALLEY(シブヤ・ビットバレー)」プロジェクトを開始しました。創業から長く渋谷を拠点としているこの4社が力を合わせて、若きエンジニアやエンジニア志望の若者を渋谷に呼び込めるよう、各種イベントを開催しています。

街の移り変わりという刺激からインスピレーションが得られるかも

再開発によって、姿を消した店舗やビルもあります。しかし、再開発によって新たに生まれる事業やプロジェクトもあります。

東京という時間の流れが速い都市で暮らしていると、日々の街の変化はとても小さなものに感じることでしょう。しかし、これを他人事にせず、自分のこととしてとらえることで、ビルが作られていく過程を見てモチベーションにつながったり、人の流れの変化がチャレンジ精神を生んだりすることもあるでしょう。

今日の渋谷は何が変わっているのか、そんなことを考えながら街を歩けば、新たなビジネスのアイデアもわき起こってくるかもしれません。(提供:JPRIME

文・J PRIME編集部


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