前日については、米・4月シカゴ購買部協会景気指数が市場予想58.5に対して52.6と市場予想を下回ったものの、米・4月CB消費者信頼感指数が市場予想126.8に対して129.2、米・3月中古住宅販売保留指数が+1.5%に対して+3.8%とその後の米国の経済指標が強かったこともあり、欧州時間に111.20円台まで下落したドル円は111.45円付近まで反発しました。月末のロンドンフィックス前に、ユーロドルは1.1220ドル台から1.1200ドル割れまでドル買いユーロ売りが強まりましたが、その後は本日(明日早朝)のFOMC、週末金曜には米雇用統計が控えていることもあり、ポジション調整主体の動きがつよまったことで、ユーロドルは1.1220ドル付近まで回復しています。
トランプ大統領が、FOMCを前に「1ポイントの利下げと量的緩和(QE)の再開を求める」との見解を表明しました。影響は限定的なものになっていますが、今回のFOMCについては据え置き予想ではありますが、パウエル議長の記者会見が予定されているため、この点についての質問が集中しそうなため、状況によってはドル売りに傾くかもしれないので、注意が必要になりそうです。
本日の早朝5:30にアップルの決算が発表され、EPS(1株当たり利益)が$2.46(予想$2.36)、売上が$58.02 billion (予想$57.37 billion)、iPhone売上が$31.05 billion(予想$31.03 billion)と総じて強い内容が発表されました。2四半期連続の減収減益ではあるものの、1/3のフラッシュクラッシュの原因の一つがこのアップルの決算だったこともあり、事前予想を上回ったことで、下値は底堅く推移しそうです。既に時間外取引で5%超の上昇になっていることから、本日のNY時間ではまずはリスク選好の動きが主導しそうです。
今後の見通し
本日は、アジア時間では、中国、香港、シンガポールがメーデーとなり、アジアの主要市場参加者が不在となるため、大きな動きには発展しない見通しです。FOMCが予定されていること、さらには、しっかりとした市場はNY時間からになることもあり、アジア時間、欧州時間では大きな動きには発展しない見通しです。ドル円については、112円台のレジスタンスラインが意識されていることもあり、FOMCでポジティブサプライズがあっても112円台の定着は困難になりそうです。ただ、ネガティブサプライズがあった場合は、111円割れの水準も見えてきそうです。
EU離脱協議の渦中にある英国ポンドについては、メイ英首相が「来週半ばまでには両党幹部の会合を設けて結論を出したい」との意向を一部報道機関が発表したため、徐々にポンドの動きに流動性が戻ってきそうです。5月の欧州議会選挙が間近になってきたことで、英・与野党協議が活発化してきそうですが、4/23以降の英国議会休会中には協議難航の報道が相次いでいたこともあり、状況によってはポンド売りが加速するかもしれません。
ドル円ショート利食いも、戻り売り戦略に変更なし
テクニカル的には112円台での滞空時間が短く、ファンダメンタルズ的にも積極的にリスク選好の動きを進める地合いでないため、ドル円は112円がレジスタンスラインとして意識されています。利食いは111.10円、損切りは112.30円付近の戦略に変更はありません。
海外時間からの流れ
本日発表されたNZ・第1四半期失業率については、事前予想4.3%に対して4.2%になりましたが、雇用者数増減で前期比-0.2%(予想+0.5%)、前年比で+1.5%(予想+2.2%)になったことを受け、NZドルが急落しました。商いの薄い中、NZドル円では74.30円付近から73.90円付近まで下落しており、マーケットが懸念しているNZ準備銀行(RBNZ)の利下げが現実味を帯びてきています。なお、次回のRBNZ政策金利発表は5月8日となります。前日は中国のPMIが悪化したことで豪ドルが売られていることもあり、オセアニア通貨については、上値の重い地合いが継続しそうです。
今日の予定
本日は、米・4月ADP民間雇用者数、米・4月ISM製造業景況指数、米・3月建設支出(前月比)、米・FOMC政策金利発表などの経済指標が予定されています。また、パウエル・FRB議長の定例会見が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。