低金利時代の昨今、「銀行にお金を預けても増えないし、お金を増やす方法はないか」と考えたことはないでしょうか。運用に少し興味はあるものの、「よくわからないし、怖い、多額の資金が必要そう」などの考えから一歩が踏み出せず、資産運用できない方は少なくありません。

しかし、今は初心者でも比較的手軽にできる資産運用方法がたくさんあります。コツコツ貯めた貯金100万円を、初心者が賢く増やすための心構えや運用方法についてお伝えします。

貯金すべてを運用にまわす必要はない

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(画像=PIXTA)

貯蓄が増えてくると、まとまったお金を運用したいと思うかもしれません。しかし、初心者がまとまったお金を運用するのはリスクがあります。資産運用は生活資金で行ってはいけません。当分使う予定のない余剰資金で行うべきですから、生活資金を1〜2年分確保し、余ったお金を運用にまわしましょう。

貯蓄を運用する前の3つの心構え

運用目標を立て、ルールを決めよう

資産運用する際に最も大切なことは、一喜一憂しないことです。運用をして、はじめて利益が出るととても嬉しいものですが、そこで計画外に運用額を増やしたり、逆に損失が出てすぐに売ってしまったりすると失敗の原因になります。

当然のことですが、利益は安く買って高く売ることで得られます。しかし、欲が出たり動揺したりすると、このシンプルな考え方を見失いがちです。

その対策として効果的なのが、運用の目標を立てルールを決め、それをしっかり守ることです。例えば、「老後のための資金を作ること」が目標であれば、ルールは「利益が30%出るまでは売却せずに続ける」などが考えられます。

長期・分散が基本姿勢

目標を立てるには、長期的視点を持つことが大切です。長期間であればあるほど、収益は安定する傾向にあります。運用は、「長期」で行うことが基本です。

そして、もう一つ、忘れてはいけないのが、「分散」です。資産を分散して運用させるということです。例えば、100万円の貯金を全てひとつの株式銘柄へ投資してしまうのは高リスクと言えるでしょう。20万円ずつ5つの銘柄に分散したり、または株式投資50%、投資信託50%などといったように、今ある資産を複数の金融商品で運用することが大切です。

また、運用の手段だけでなく、定期的に積立をして「運用時期」を分散させることでリスクを低減するのも効果的と言えます。

複利の仕組みを知る

また、資産運用するにあたって、知っておきたいのが複利の効果です。複利とは、利益が出たときに利益を元金に組み入れ、また運用することです。利益をさらに運用することで、利益が利益を生み出すのです。運用によって利益が出ても、それを自分のふところに入れてしまうと収益は限られてしまいます。

例えば、100万円を運用し、10%の利益を得たとすると110万円になります。そして、110万円を運用して、また10%の利益を得たなら121万円になります。利益は21万円です。

ところが、もし、最初に得た10万円の利益を自分のふところに入れてしまうと、その後、また10%の利益を得たとしてもその金額は10万円です。つまり、合計の利益は20万円。複利運用をした方が利益は1万円多いということです。

そして、この複利の効果は、長期であればあるほど大きな効果を発揮します。利益が出たら、元金に含めて長期的に運用することで利益を大きく増やしていける、複利運用の効果を知識として覚えておきましょう。

初心者でも安全な貯蓄運用方法

初心者にも人気の「投資信託」

投資信託とは、文字通り「投資」を「信」じてプロにお金を「託」す金融商品です。どこの国の、どこの会社に、どれだけ、そして、どのような投資を行うのかを決めるのはプロです。投資家は、そのプロを信じてお金を預けるのです。

ただし、プロが運用してくれるからといって必ず利益が出るとは限りません。投資信託の種類はたくさんありますから、自分自身が信用できると思える、また気になる投資信託をピックアップしましょう。その際、分散の基本姿勢を忘れてはいけません。複数の投資信託で運用することを心がけましょう。

「つみたてNISA」なら節税にも

投資信託で資産運用するなら、つみたてNISAを利用するのがおすすめです。つみたてNISAとは、投資信託を積立てながら、運用する制度です。運用で利益が出ると、本来なら20%の税金がかかります。しかし、つみたてNISAなら非課税です。非課税期間は20年ありますから、長期運用に適しているメリットの大きな制度といえます。

また、つみたてNISAで運用できる金額は年間40万円までです。100万円の貯蓄のうち、40万円をつみたてNISAで運用すれば、長期・分散を実行できます。

「ロボアドバイザー」でおまかせ投資

ここ最近、人気が出ているのがロボアドです。ロボアドとは、ロボアドバイザーの略で、資産運用をロボットにお任せするサービスです。サービス提供会社も増えてきており加入者も増加傾向です。

サービス内容はロボアド会社によってさまざまですが、有料のロボアドサービスの場合、いくつかの質問に答えると、ロボットが運用商品を選択してくれ、運用からメンテナンスまで行ってくれます。運用する商品は投資信託などです。ふだん仕事などで忙しく、運用方法等を考える時間がない方にはぴったりなサービスといえるでしょう。

一括投資できるロボアドもありますが、積み立て投資が主流です。長期運用を前提としており、ロボットが分散投資を行ってくれます。

貯蓄の運用は早く始めるが勝ち

資産運用で短い期間に大きく利益を出すのは簡単なことではありません。今までお伝えしたように、運用の基本は長期・分散です。ですから、資産運用をするなら、早く始めて長く続けるほど失敗しにくくなると言えるでしょう。興味のある人は、ぜひ無理のない範囲で、目標計画を立てるところから始めてみてください。

文・前田菜緒(子育て世代の家計のパートナー、FPオフィス And Asset)/fuelle

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