ポイントは「収益計算」にあり!

不動産投資,稲垣浩之
(画像=THE21オンライン)

「不動産投資をしたいという人は今も増えている」と話すのは、不動産投資に関わる税務申告を行なう税理士の稲垣浩之氏だ。ただ、そこで重要になってくるキャッシュフローや資金マネジメントの面については、勉強が不十分な人も少なくないと言う。最低限、知っておきたい知識についてうかがった。(取材・構成=林加愛、写真撮影=まるやゆういち)

融資は厳しくなるも「不動産投資熱」は健在

税理士として資産形成の相談に乗る中で、ここ数年とみに、ビジネスパーソンの方々の不動産投資への興味が高まっていると感じます。1000万以上、ときには億単位の金額が動く分野であるにもかかわらず人気は上々。借入れへの心理的ハードルも下がってきています。

銀行側にとっても、会社員は手堅い貸し先です。月々の定収入があり、バックグラウンドも確かだからです。

双方のニーズが合致し、人気は上昇の一途。しかし1年前、女性向けシェアハウスの運営会社が破綻するという事件が起きました。

この会社は一括で部屋を借り上げて入居者にさらに貸す「サブリース」方式をとり、毎月の家賃は完全保証されるというのが謳い文句でした。しかしその実態は、割高な物件を買わせた上に、改竄した資金状況を銀行に伝えて無理なローンを組ませ、そのお金でサブリース料を支払うという悪質かつ綱渡りの経営。破綻と同時に、オーナーは巨額の借金を背負わされました。

この件以来、銀行は以前より融資の審査を厳しくしています。とはいえこれほどの悪質なケースは稀ですし、ビジネスパーソンが魅力的な貸し先であることは確かです。借りる側の不動産熱も、冷める気配はありません。

物件を担保に借入れできるのが強み

その理由はやはり何より、将来不安があるからでしょう。老後の年金に期待できない中、確実な資産形成をしたいというニーズがあるのです。

不動産投資は確かに、その点で有効な方法です。たとえば株式投資と較べると、コントロールの効きやすさが際立ちます。株は会社の一部であり、その価値は変動しますが、不動産は全体が手に入り、家賃収入の額は確実に見通せて、しかも株の配当額よりはるかに高額です。

また、株で儲けるためには頻繁な売買が必要となりますが、不動産投資は転売で稼がなくとも月々の家賃で収入が得られます。物件の管理も管理会社に任せられて手間要らずです。

そして最大の強みは、借入れの際に物件そのものを担保にできること。家賃を返済に充て、万一返せなくても物件を手放せばOK。その意味では、自分の住む家を買ってローンを組むより安心とも言えます。実際、賃貸住まいのまま不動産投資をする人も多数います。