金融商品
(画像=Denizce/Shutterstock.com)

目次

  1. 金融商品を選ぶ基準
  2. 主な金融商品の比較
  3. ライフプランや考え方に合わせてカスタマイズ

皆さんは、スマホにどんなアプリをインストールしていますか?無数にあるアプリの中から、趣味や関心に合わせて好きなアプリを選んで、オリジナルなスマホを作っているのではないでしょうか。

同じように、資産形成においても、様々な金融商品を自由に組み合わせて、自分だけの金融資産を作り上げることができます。そこで今回は、資産形成の選択肢をざっくり眺めてみたいと思います。

金融商品を選ぶ基準

数多くある金融商品の全体像を眺めるとき、漠然と眺めても違いがはっきりしません。お金を「守る」、「増やす」、「使う」の観点を踏まえた以下の3つの基準を持っていると特徴が理解しやすくなります。

1.安全性 : お金の守りやすさ

元本や利子の支払いの確実さを指します。たとえば投資したお金が元本割れしてしまうリスクが低ければ、安全性は高いと言えます。

2.収益性 : お金の増やしやすさ

期待できる収益の大きさを指します。お金が増える可能性が高ければ、収益性は高いと言えます。

3.流動性 : お金の使いやすさ

必要になったときの換金しやすさを指します。お金を守り、増やすのは、使うためです。いざ使いたいときに、すぐに使える状態に換えられれば、流動性は高いと言えます。

注意が必要なのは、一般に、安全性と収益性は両立しないということです。たとえば「元本保証で一ヵ月後には10倍になります」というような、安全性の高さと収益性の高さを兼ね備えた「うまい話」は基本的には存在しません。皆さんの大事なお金を守るため、押さえておいていただければと思います。

以上の3つが、各金融商品の特徴を知り、選ぶ際の基準として利用できます。

主な金融商品の比較

次に、この3つの基準に照らして、主な金融商品の比較をしてみたいと思います。

(1)預貯金

預貯金とは、銀行などの金融機関にお金を預け入れる代わりに、利子を得られる仕組みです。金融機関は、私たちからお金を預かり、そのお金を、資金を必要としている人に融資することで利息収入を得ています。それが、私たちの預貯金につく利子になって還元されています。

預貯金の安全性は高いと言えます。私たちが日本の金融機関に日本円を預け入れた場合、もしその金融機関が破たんしてしまっても、金融機関ごとに元本1,000万円までとその利息は私たちの手元に戻ってくる制度があるため、この範囲内であれば非常に高い安全性が確保されています。

なお、もし将来物価が下がる(=物の価値が下がる)デフレの状態になったとき、預貯金の額面が大して増えていなくても、預貯金の実質的な価値は上がります。反対に、物価が上がる(=物の価値が上がる)インフレが進んだ場合、預貯金の額面が増えていなければ、預貯金の実質的な価値は下がってしまうおそれがあります。この点では安全性が低いとも言えます。

預貯金の収益性は低いのが現状です。現在、預貯金の金利は高い状態とは言えず、お金を預け入れてもほとんど増えないからです。

預貯金の流動性の高さは抜群です。私たちは現金が必要になったとき、ATMなどで簡単に、預け入れた額と同額の預貯金を引き出すことができるからです。

(2)債券

国や地方公共団体、会社などは、その運営資金や事業資金を集めるために、私たちから資金の提供を受け、私たちに債券を発行します。ものにより条件は異なりますが、基本的には、私たちは、資金を提供して債券を保有すると、定期的に利子が受け取れ、満期になったら額面金額を返してもらいます。また、満期を迎える前でも、途中で売却することができます。

債券の安全性は一般的に、預貯金よりは低く、後述の株式よりは高いと考えられます。

日本の国や地方公共団体が発行する「国債」や「地方債」の場合、破たんするリスクが非常に低いので、安全性が高くなります。会社などの「社債」の場合は、会社ごとにそのリスクは大きく異なります。格付け会社が各社の債券の信用度を評価して、各社の「信用リスク」を格付けしていますので、購入にあたってはこれらの情報も参考にする必要があります。

また、満期になる前に売却する場合、その売却額は、その時の需要と供給のバランス次第で変わり、条件次第で損失が発生する場合があります。これを「価格変動リスク」といいます。一般に、債券の価格変動リスクは、後述の株式よりは小さいとされています。

債券の収益性は、預貯金よりは高く、株式よりは低いと考えられます。

発行体から額面どおりの価格で債券を買って、満期に額面どおりの金額を返してもらう場合、商品ごとに定められた利率の分、私たちの資産が増えることになります。現在、この利率は、預貯金の金利よりは高い商品が多くあります。また、債券は、発行体以外の、債券を保有している人から買って、満期前に債券がほしい人に売ることもできます。このときは必ずしも額面どおりの価格で売買する必要はありません。そのため、安く買って、高く売ることができれば、より収益性を高めることができます。

債券の流動性は、預貯金や株式より低いと考えられます。

現金に換えたいと思ったとき、通常は証券会社などが買い取ってくれますが、たとえば個人向け国債には発行後1年間は中途換金不可といった条件があるなど、制約がある場合もあります。また、知名度や信用度の高い会社の債券の場合は流動性が高いことが多いですが、そうでない場合は、途中売却が困難であったり、売却条件が悪かったりすることがあります。

(3)株式

会社が事業資金を集めるためには、株式の発行という手段もあります。債券と異なる点として、利率や満期日といった考え方がありません。株式を保有すると、会社の業績などに応じて「配当金」を得られることがありますが、これはあらかじめ会社から額などが約束されたものではありません。また東証などに上場している株式であれば、株式市場で随時売買することができます。

株式の安全性は、やや低いとされています。

投資した会社の破たんなどの「信用リスク」が存在し、また、株式市場で頻繁に売買され「価格変動リスク」も大きいためです。 なお、一般に、値上がり益を狙った短期的な売買の場合は安全性が下がりますが、配当金などを狙った長期投資であれば、ある程度安全性を高めることも可能です。

株式の収益性は、高いと評価されています。

価格変動リスクが大きい分、安い時に買って、高い時に売れば大きな収益を得られます。こういった値上がり益を狙った短期的な売買の場合は収益性が高くなる傾向にありますが、配当金などを狙った長期投資であれば、収益性は少し低めになる傾向があります。

株式の流動性は、預貯金と比べると低く、債券と比べると高いと言えます。

株式は、債券に比べて市場での取引が活発な分、比較的売買がしやすいといえます。ただ、債券と同様、知名度や信用度の高い会社の株式の場合は流動性が高いことが多く、そうでない場合は、途中売却が困難であったり、売却条件が悪かったりすることもあります。

(4)投資信託

ここまでで、各金融商品の特徴をざっとご紹介しました。債券や株式でお金を増やしてみようと思うけれど、具体的にどの銘柄が良いのかわからない、と思われる方もいらっしゃるでしょうか。

そういった方は、投資信託から始めてみると良いかもしれません。投資信託とは、債券や株式などのパッケージ商品なので、初心者でも選びやすい特徴があります。

投資信託の流動性については、株式と同程度です。

安全性や収益性は、パッケージの中身の構成により様々です。しかし基本的には、株式の組入比率が高いと安全性が下がる分、収益性が高くなります。

ライフプランや考え方に合わせてカスタマイズ

様々な選択肢をご紹介しましたが、資産形成において一番大事なのは、どのような人生を送りたいかということです。

ライフプランはマネープランに直結します。お子さんの学費を準備するため、低リスクな債券で中期的にじっくり増やすという方法もあります。会社をやめて独立するにあたって厚生年金がなくなる分、株式を主な投資対象とした投資信託で長期的に大きなリターンを目指すという考え方もあります。

ライフプランや考え方に合わせて金融商品をカスタマイズすることで、オリジナルな資産作りをしていただき、皆さんが豊かな人生を送れることを願っております。

  1. ・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。

  2. ・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

  3. 三菱UFJ国際投信株式会社
    金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

(提供:mattoco Life)

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