震災に係る住宅取得等資金の贈与税の非課税
震災により滅失をした住宅に居住していた人が、平成23年3月11日から平成26年12月31日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たすときは、省エネ等住宅の場合、1,500万円、省エネ等住宅以外の場合、1,000万円までの金額について、贈与税が非課税になります。ただし、平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けた人に係る非課税限度は1,000万円になるので注意が必要です。
平成27年税制改正予定の直系尊属からの住宅等資金の贈与税の非課税
国土交通省は、平成27年度の税制改正に向けて、直系尊属からの住宅等資金の贈与税の非課税について、拡充、延長を要望することを決めました。この要望の具体案は、平成26年12月31日に期限切れとなるこの特例を平成29年12月31日までに延長し、非課税枠を3,000万円まで拡充するという案です。つまり、期間をさらに3年間延長し、金額の限度も3倍に引き上げようとする案です。
住宅取得市場の展望
平成27年税制改正予定の直系尊属からの住宅等資金の贈与税の非課税の要望の背景として考えられるのが、住宅の取得層である30代、40代の平均的な年収が低下する一方で、住宅価格が上昇しているため、親からの贈与を利用して、住宅の取得市場の活発化を狙っているということです。また、65歳以上の高齢者のうち、約16%が4,000万円以上の貯蓄残高を有しているといわれています。これらの資金を直系卑属に流通させ、有効に利用しようという狙いもあると思われます。
そして、平成27年10月からは消費税率が8%から10%に引き上げになる予定です。したがって、今年の3月31日までの消費税率8%引き上げ前のように、消費税率10%引き上げ前の平成27年9月末までに、この贈与税の非課税の特例との抱き合わせで、住宅取得の駆け込みが予想され、3,000万円の枠を最大限に活用する動きとして、特に住宅価格の高い地域の需要が上がると予想できます。
photo credit:
kevin dooley
via
photopin
cc