先月中旬から小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表がスタートしていますが、それも7月に入って一段と本格化しています。そこで今回は7月8日から10日までの決算を早速集計してみました。まだ、第1四半期ということもあって業績予想を修正する企業はわずかですが、それでも決算に株価が大きく反応する銘柄が少なからずみられます。

投資のヒント
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例えば第1四半期の営業損益が黒字転換した吉野家ホールディングス(9861)では決算発表翌日に株価が9%近く上げたほか、営業赤字ながら赤字幅が縮小したリソー教育(4714)や大幅な営業増益となったパルグループホールディングス(2726)でも決算発表後に株価が大きく上げています。一方で大幅な営業減益となった竹内製作所(6432)では株価が急落し10%安となっています。また、同じく大幅な営業減益となったイズミ(8273)でも5%以上株価が下げています。

2月決算企業の第1四半期決算集計速報
(画像=マネックス証券)

決算メモ

●ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)- 1Qは減収ながら大幅増益で着地 -

ユニー・ファミリーマートホールディングスが10日に発表した2020年2月期の第1四半期の決算は売上高に当たる営業収益が前年同期比16.3%減の1329億円、本業の利益に当たる事業利益が同47.6%増の195億円と減収増益となりました。営業収益はカネ美食品の連結除外や直営店減少により減収となりました。しかし、事業利益は既存店やサークルK店及びサンクス店からの転換店が好調に推移したことに加え、統合費用の減少や本部コストの削減などで大幅な増益となっています。

ユニー・ファミリーマートホールディングスではこの第1四半期より新しいリース基準を適用しています。その影響でこの第1四半期の事業利益は従来基準に比べて9億円増加しています。通期の利益計画は営業収益が前期比14.9%減の5250億円、事業利益が同26.1%増の650億円で据え置きとなりました。ただ新しいリース基準適用による影響は精査中とのことですが、第2四半期以降も第1四半期と同じような影響があるとみられることから、通期では事業利益が30-40億円程度かさ上げされる可能性がありそうです。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

【関連リンク マネックス証券より】
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